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SDGsの目標、『海の豊かさを守ろう』と『陸の豊かさも守ろう』について詳しく解説!
SDGs 海と陸の豊かさを守ろう私たちの地球環境を持続可能にするために SDGsの14番目「海の豊かさを守ろう」と15番目「陸の豊かさも守ろう」について詳しく解説。現在地球で何が起きているのか、そして私たちにできることは何かを一緒に考えていきましょう。 商品や企業理念、生活スタイルなどさまざまな部分で掲げられるSDGs。SDGsは、これから育っていく世代のために地球環境を守り続けることを目標に作られました。 SDGsについては以前の投稿でまとめていますので、そちらを参照ください。SDGsについて 今回はSDGsの17の目標のなかにある14番目の目標「海の豊かさを守ろう」と15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」について深掘りして解説していきます。 陸や海には私たちが日々生活していく中で欠かせないものがたくさん存在しています。しかし、その自然が危機的な状況を迎えていることをご存じですか? 現在陸や海で何が起きているのか?どんな問題があるのかを知っていきましょう! ざっくりとSDGsについて解説 本題に入る前にSDGsについて簡単に解説をしましょう。詳しくは以前の投稿を見ていただければと思いますが、忙しくて見てられないという人に向けて簡単にまとめます。 SDGsとは、持続可能な開発目標という意味があります。これから生まれてくる世代の子が安心して生活できる地球環境を持続できるように、今起きている問題を解決していきましょうというものです。 この問題というのは環境や貧困、人権などといったもので、それらを2030年までに解決しようという目標がたてられています。目標は17種類に分けられており、それぞれの項目で具体的な目標と目標を達成するための方法が設けられています。 海の豊かさを守ろうとは? 海の豊かさを守ろうという項目には、7つの目標とそれらを達成するための3つの方法が設けられています。具体的な内容を見ていきましょう。 ※ハイフンに続く数字が目標、アルファベットが方法になります。 7つの主要目標 14-1 海洋汚染の防止 2025年までに、海洋ごみや富栄養化など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす 14-2 海洋生態系の保護 2020年までに、海と沿岸の生態系に重大な悪い影響がでないように、回復力を高めることなどによって、持続的な管理や保護をおこなう。健全で生産的な海を実現できるように、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。 14-3 海洋酸性化対策 あらゆるレベルでの科学的な協力をすすめるなどして、海洋酸性化の影響が最小限になるようにし、対策をとる。 14-4 水産資源の回復 魚介類など水産資源を、種ごとの特徴を考えながら、少なくともその種の全体の数を減らさずに漁ができる最大のレベルにまで、できるだけ早く回復できるようにする。そのために、2020年までに、科学的な管理計画を実施する。 14-5 海域保全 国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域や海域の10%を保全する。 14-6 漁業補助金の管理 2020年までに、必要以上の量の魚をとる能力や、魚のとりすぎを助長するような漁業への補助金を禁止し、法に反した、または報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金をなくし、そのような補助金を新たに作らないようにする。 14-7 持続可能な海洋資源利用 漁業や水産物の養殖、観光を持続的に管理できるようにし、2030年までに、開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにが、海洋資源を持続的に利用することで、より大きな経済的利益を得られるようにする。 実施のための3つの方法 14-a 海洋技術の向上 より健全な海をつくり、開発途上国、特に開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国々において、海洋生物の多様性がその国の開発により貢献できるように、科学的知識を増やしたり、研究能力を向上させたり、海洋技術が開発途上国で使えるようにしたりする。 14-b 小規模漁業者支援 小規模で漁業をおこなう漁師たちが、海洋資源や市場を利用できるようにする。 14-c 国際法の実施 「私たちが望む未来」で言及されたように、海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法(国連海洋法条約)を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。 引用元: ユニセフSDGs CLUB 「海の豊かさを守ろう」ができた背景 この海の豊かさを守ろうという目標ができた理由は下記のような問題が発生しているからです。 ゴミが増えている 汚染が進んでいる 資源が減っている どういったことか詳しく解説していきましょう。 ①ゴミが増えている 人間が生活する中で出るゴミが海に流れています。特に問題となっているものがプラスチックゴミです。 ビニール袋やペットボトルなどが海に流れていき、生態系に大きな影響を与えています。ビニール袋を飲み込んでしまい窒息したウミガメをテレビなどで見たことがあるのではないでしょうか? 漁業や釣りに使う網や釣り糸、仕掛けなどが生物に絡まり、傷ついたり、命を落とす原因になったりしています。 こうしたプラスチックゴミは1億5000万トン以上、海に流れており、現在も毎年800万トン以上増えていると言われています。 更に問題とされていることが、プラスチックゴミは紫外線によって劣化することで細かくなり、マイクロプラスチックと呼ばれるものになることです。 マイクロプラスチック問題はさまざまありますが、1つの問題には、魚がエサと一緒に誤って食べてしまい、その魚を人間が食べることで、健康に影響を与えるかもしれないという報告があげられています。 ②汚染が進んでいる 海の汚れはゴミだけではありません。船やタンカーから漏れる重油や家庭や工場から出る汚水、農業で使う農薬などから汚染が進んでいます。 また、海は大気中の二酸化炭素を吸収する役割を担っています。しかし、現在海洋酸性化という大気中の二酸化炭素を取り込みすぎて海が酸性化する現象が起きています。 酸性化が進むと貝類は貝殻を形成できない、サンゴは骨格を形成できないなどの問題が起きてしまいます。さらに吸収できる二酸化炭素が減り、温暖化が進むとも言われています。 ③資源が減っている 海洋生物が年々減っているという問題が発生しています。減少している原因は海洋汚染だけではなく、乱獲によることも挙げられます。 世界に住む人々の食生活が野菜中心から魚や肉類に変わってきたことや流通システムが発展したことなどで漁獲量が増えています。 水産庁によると、持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合が次第に減ってきているそうです。これは魚の取り過ぎで個体数が増えるよりも減る方が多く、絶滅の危機に瀕するものがあるということになります。 そのため、今は漁獲量を管理することで生態系を守り、漁業で生計を立てている人を守る精度が設けられています。 陸の豊かさも守ろうとは 陸の豊かさも守ろうという項目は、9つの目標と、それらを達成するための3つの方法が設けられています。具体的な内容を見ていきましょう。 ※ハイフンに続く数字は目標、アルファベットは方法になります。 9つの主要目標 15-1 陸上生態系の保護 2020年までに国際的な協定にしたがって、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、および、それらがもたらす自然の恵みを、守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。 15-2 森林管理 2020年までに、あらゆる種類の森林の、持続可能な形の管理をすすめ、森林の減少をくいとめる。また、おとろえてしまった森林を回復させ、世界全体で植林を大きく増やす。 15-3 砂漠化対策 2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させ、これ以上土地をおとろえさせない世界になるように努力する。 15-4 山地生態系の保護 2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。 15-5 生物多様性の保護 自然の生息地がおとろえることをおさえ、生物の多様性が損なわれないようにし、2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐため、緊急に対策をとる。 15-6 遺伝資源の公平利用 国際的に決められたとおり、遺伝資源を使って得る利益が公正で公平に分けられるようにする。また、遺伝資源を適切に使うことができるようにする。 15-7 密猟・違法取引の撲滅 保護しなければならない動植物の密猟や、法律に反した取り引きをなくすために、緊急の対策をとる。法律に反する野生生物の製品が求められたり、売られたりすることがないようにする。 15-8 外来種対策 2020年までに、移動先に定着する外来種の侵入を防ぐとともに、外来種が陸や海の生態系に与える影響を大きく減らすための対策をはじめる。特に優先度の高い外来種は駆除する。 15-9 生態系保護の統合 2020年までに、生態系や生物の多様性を守ることの大切さを、国や地方による計画や開発のプロセス、貧困をなくすための取り組みやお金の使い方に組み入れて考えられるようにする。 実施のための3つの方法 15-a 資金調達の強化 生物の多様性や生態系を守ること、それらを持続可能な形で利用していけるようにするために、あらゆるところから資金を集め、より多くのお金が使えるようにする。 15-b 森林管理への投資 森林の保護や再植林をふくめて、持続可能な森林の管理を進めるために、あらゆるところからお金を集め、開発途上国が持続可能な森林の管理を進めようと思えるように十分な資金が使えるようにする。 15-c 国際支援の強化 持続可能な形で収入を得られるように、コミュニティの能力を高めるなどの取り組みを進め、保護しなければならない動植物の密猟や法律に反した野生生物の取り引きをやめさせるために、国際的な支援を強化する。 引用元: ユニセフSDGs CLUB 「陸の豊かさも守ろう」ができた背景 現在世界の陸地の約3分の1(約40億ヘクタール)は森林です。しかし、1年前はこの1.5倍の60億ヘクタールあったと言われており、今も1年あたり約1,300万ヘクタール減っています。1,300万ヘクタールというのは東京都の約59倍です。 この森林減少によってさまざまな問題に繋がっています。代表的なものとしては下記の3つになります。 砂漠化 陸上生態系の崩壊 気候変動 それぞれ詳しく解説していきましょう。 ①砂漠化 砂漠化とは、もともと森林といった緑があった場所が砂地化し、植物が育ちにくい環境になることです。 砂漠化が進むことで生物の多様性が失われること、作物が育たないことで食糧危機に陥る恐れが出ます。 砂漠化による大きな問題としては、作物で生活を行う人の生活基盤がなくなることです。こうなってしまった人々は、仕事や援助を求めて都市部へ移動します。しかし、仕事が上手く見つかることはあまりなく、そのまま難民となってしまいます。これが難民問題で、今後も難民は増加すると予想されています。 難民問題は民族紛争を引き起こすなどいった原因になり、多くの命を落とすことに繋がってしまうのです。 ②陸上生態系の崩壊 森林減少によって生態系にも大きな影響を与えています。現在1年間で約40,000種類もの生物が絶滅していることをご存じでしたか? 現在確認されている生物の種類は約211万種、この中の30%近くが今絶滅の危機に瀕しているのです。 生物が絶滅することで問題となるのが生態系のバランスが崩れるといったことです。生物は食物連鎖によって上手くバランスをとって生きています。そのため、1種類の生物がなくなることで、それを必要としている種が絶滅する危険が生まれてしまいます。 こういった負の連鎖が起きることで、絶滅する生物の減少がとまらなくなるのです。 生態系が崩れることは人間にも影響を与えます。例えば薬、海の生物からとるエキスが抗がん剤に使われたり、植物から取れるエキスが薬草に使われたりしています。 病気で苦しむ人が助けられなくなる可能性が出てくることに繋がるのです。 ③気候変動 地球温暖化はよく聞く言葉ですが、温暖化は気候変動の中の1つです。温暖化が進む要因として、森林の減少があります。世界中にある森林が光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出しています。つまり、森林がなくなることで二酸化炭素の吸収量が減り、温暖化が進むのです。 二酸化炭素の吸収量が減ることで問題となるのは温暖化だけではありません。大気中に二酸化炭素が溜まることでエルニーニョ現象やラニーニャ現象が引き起こされます。 この現象によって、日本では台風が発生する回数が増える、または超大型台風になり、大災害を起こすことに繋がります。 この自然災害で川の氾濫がおき、家の浸水が起きる、野菜が作れなくなる、工場の機械が壊れるなど、さまざまな問題が起きていることはご存じかと思います。 まとめ 海の問題や陸の問題で共通していることは、1つの問題だけをみると、大きな問題とは感じにくいということです。 しかし、1つの問題で10の問題、100の問題にまで発展していく恐れがあるということが分かったかと思います。 私たちは自然の恵みを受けて生きています。自分だけでなく、自分たちの子どもが安心して生活していけるように、今何ができるか考えながら生活するようにしていくことがSDGsを達成するためにも重要であると思います。
もっと見る真空袋の種類と選び方:飲食店・食品加工工場のための完全ガイド
真空袋完全ガイド 飲食店や食品加工工場で使用する真空袋の選び方から、メーカーごとのおすすめ商品まで、専門的かつ初心者にも理解しやすく解説します。 はじめに、飲食店や食品加工工場で使用する真空袋は、食品の品質を保持し、長期保存を可能にする重要なツールです。しかし、真空袋の種類は多岐にわたり、それぞれに特性や適用範囲が異なります。本記事では、真空袋の基本的な知識から選び方、そしてメーカーごとのおすすめ商品まで、専門的かつ初心者にも理解しやすい形で解説します。 真空袋とは? 真空袋は、食品を空気から遮断し保存するための包装材料です。主にナイロンやポリエチレンなどの合成樹脂で作られており、食品を包んだ後に真空パック機で空気を抜き取り封印します。これにより、食品の酸化を防ぎ、細菌やカビの繁殖を抑えることができます。 真空袋の種類と特徴 ナイロンポリTLタイプ(福助工業) 🛒 商品を詳しく見る 特徴: 耐久性と透明性に優れ、内容物が簡単に確認できます。また、耐穿刺性が高いため、尖った物質のパッケージングに適しています。 用途: 魚介類や骨付き肉など、尖った部分が突き破りやすい食材の保存に最適です。 ナイロンポリバリアTLタイプ(福助工業) 🛒 商品を詳しく見る 特徴: 高いガスバリア性を持ち、酸素や水蒸気の透過を防ぎます。これにより、食品の鮮度を長期間保持することが可能です。 用途: 加工肉、チーズ、乾燥食品など、酸素による品質劣化が懸念される食材の保存に適しています。 シグマチューブ(クリロン化成) 🛒 商品を詳しく見る 特徴: 独自の製法による高い耐熱性と透明性を兼ね備え、熱処理後も透明度が維持されます。 用途: 熱湯や電子レンジでの加熱処理が必要な食品、冷凍食品の包装に最適です。 彊美人(クリロン化成) 🛒 商品を詳しく見る 特徴: 抜群の透明度と光沢で、商品の魅力を高めます。また、高いバリア性能を持つため、食品の鮮度保持にも貢献します。 用途: 見た目を重視する食品、高級食品の包装に適しています。 選び方のポイント 食品の種類と保存方法を考慮 食品によっては、酸素や水蒸気に対するバリア性が重要な場合があります。また、鋭利な部分がある食品は耐穿刺性の高い真空袋を選ぶ必要があります。 透明度と見た目 商品の魅力を高めるためには、透明度が高く光沢のある真空袋を選ぶと良いでしょう。特に、直接消費者に提供する飲食店や小売店では、見た目が重要です。 真空パック機との互換性 使用している真空パック機に合った真空袋を選ぶことも重要です。メーカー指定の真空袋を使用することで、最適な真空度と封印が実現できます。 ~自社にピッタリの真空袋を見つける~ 最適な真空袋選びでお困りの方は、ぜひ下記の特集ページをご覧ください。豊富な商品ラインナップから、あなたのニーズに合った真空袋が必ず見つかります。 ✨ 真空袋特集ページはこちら → まとめ まとめると、真空袋は食品の保存に欠かせないアイテムであり、選び方一つで食品の鮮度や安全性が大きく変わります。この記事が、あなたの事業に最適な真空袋選びの手助けとなれば幸いです。さまざまな真空袋を検討する際は、メーカーの公式ホームページも参考にして、製品の詳細や技術情報を確認してください。
もっと見るプラスチックのリサイクル方法!マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルそれぞれわかりやすく解説
プラスチックのリサイクル方法と最新トレンド プラスチックのリサイクルが注目されている理由や、プラスチックの3つのリサイクル方法、そして新しいプラスチックまで、最新のトレンドを解説します。 最近、何かと取り上げられることの多いプラスチック製品。「プラスチック製品は使用を控えた方が良い」「プラスチック製品のリサイクルが必要」などの意見が飛び交っていますが、そもそもなぜこんなにプラスチックが話題になっているのでしょうか? なぜプラスチックのリサイクルが必要? そもそも、なぜプラスチックのリサイクルが必要なのでしょうか?最も大きな問題は、プラスチックが環境に大きな負荷をかけていることです。 プラスチックは埋めてもすぐには土に還りません。自然に分解されるには何百年といった長い年月が必要なのです。プラスチック製品が増え、廃棄されるプラスチックが多くなると、溢れたプラスチックが土地を汚すことになります。 また、海洋汚染問題も深刻です。プラスチックは海に捨てられてもやはりそのままの状態で水中を漂います。すると、魚や貝、くじらなどの海の生物たちがエサと間違って食べてしまうのです。 プラスチック製品により体を傷つけてしまう海洋生物は後を絶ちません。軽くて丈夫で、ペットボトルなど身近なものに多く使われているプラスチックは、海に不法投棄される機会も多く、それだけに大きな問題だと言えるでしょう。 プラスチックは便利で、私たちの生活に欠かせないものですが、環境汚染が進むことで困るのもまた私たちです。 プラスチックをただゴミとして廃棄せずしっかりリサイクルする取り組みは、使い捨てプラスチック製品の削減と合わせて現在世界のトレンドとなっています。 プラスチックのリサイクル方法は3種類 プラスチックのリサイクル方法は大きく次の3つに分かれます。 マテリアルリサイクル ケミカルリサイクル サーマルリサイクル それぞれ、どのようなリサイクル方法なのか詳細を見ていきましょう。 マテリアルリサイクル マテリアルリサイクルは、プラスチックごみを溶かして原材料に変え、その後またプラスチックの製品に加工するリサイクル方法です。 「再生利用」とも呼ばれる方法で、私たちが「プラスチックのリサイクル」と聞いた時、1番はじめにイメージするリサイクル方法ではないでしょうか。マテリアルリサイクルでは、次のような順序でリサイクルが行われます。 プラスチックごみ(廃プラスチック)の回収 ごみに混ざっている不純物を取り除く 洗浄や粉砕ののち加熱して溶かす 原料に戻ったプラスチックを再加工 マテリアルリサイクルでは、原料のプラスチックに戻すために混入した不純物を徹底的に除去する必要があります。 そのため、以前は異物の混入が少なく除去しやすい産業系のプラスチックゴミがマテリアルリサイクルの対象でした。 現在では分別や加工の技術が向上したことや容器包装リサイクル法の施行により、一般家庭から出るペットボトルなども対象になっています。 ケミカルリサイクル ケミカルリサイクルはプラスチックごみに化学的な処理を施し、さまざまな燃料などに変えて利用することです。 前項で紹介したマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの最も大きな違いは、マテリアルリサイクルがプラスチックをもう一度プラスチック製品の原材料として活用するべく処理を行うのに対し、ケミカルリサイクルでは基本的にそのままプラスチックとして再利用することを目指しません。 マテリアルリサイクルでは異なる種類のプラスチックが混ざらないようにするなど、不純物の除去が重要でしたが、ケミカルリサイクルではそこまで厳密に異物を除去する必要がない点が大きなメリットになります。 ケミカルリサイクルの主な種類には次のようなものがあります。 ガス化:プラスチックを超高温で分解しガスにして活用する 原料・モノマー化:プラスチックの分子を最小単位まで分解して活用する 高炉原料化:高炉で還元剤として活用する 油化:油に戻して活用する 油化は1970年代から技術開発が進められ、技術的にはほぼ確立されていますが、コスト面などのハードルが高いことから現在ではあまり使われていません。 サーマルリサイクル サーマルリサイクルはプラスチックごみを燃やす時に発生する熱エネルギーを活用する方法です。固形燃料などにして使うこともあります。基本的に燃やす際のエネルギーを回収する方法なので、プラスチックに不純物が多く混入していて取り除けない場合でも実施できるリサイクルとして知られています。 3つのリサイクル方法の中で最も活用されているのは?日本のプラスチックリサイクルの現状 マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクル、3つのリサイクルの違いがわかったところで、日本におけるプラスチックリサイクルの現状を見てみましょう。 日本の廃プラスチック(プラスチックごみ)の有効利用率は年々増加しています。2005年には58%だった有効利用率は翌年2006年には約10%アップの69%、2011年には78%まで上がり、最新のデータとして提示されている2021年の資料では87%になっています。15年程度で30%程度も増加しているのです。関係者の方の素晴らしい努力の賜物と言って良いでしょう。 リサイクル方法の内訳は、マテリアルリサイクルが21%、ケミカルリサイクルが4%、サーマルリサイクルが62%となっています。 87%という数値はもちろん誇るべきものですが、世界的なリサイクル基準の場合、サーマルリサイクルはリサイクル率に含まないことが多いなどの問題点もあります。今後は世界の基準とのすり合わせも必要となってくると言えるでしょう。 ※参考資料→https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf リサイクルと合わせて注目されているバイオプラスチック リサイクルとあわせて現在注目を集めているのがバイオプラスチックです。バイオプラスチックには、主に次の2種類があります。 バイオマスプラスチック 生分解性プラスチック バイオマスプラスチックは、原料に植物などに有機資源を使ったプラスチックです。この有機資源は再生可能であるため化石資源など、地球の有限なエネルギーを無駄遣いせずに済みます。 また、現状では従来のプラスチック同様そのままでは自然に還らないものがほとんどですが、燃やす際の温室効果ガス排出を抑えられるなど、自然に優しいメリットが多くあります。 生分解性プラスチックは微生物などの働きによって、水と二酸化炭素に分解される画期的なプラスチックです。 従来のプラスチックに比べてかなり短時間で分解が進むため、もし不法投棄などがあっても、自然への悪影響を抑えることができます。海洋汚染などの問題で大きな効果を発揮すると考えられています。 バイオプラスチックは、日本でも多くの企業が導入を進めています。例えば、花王株式会社ではシャンプーやリンスなどのボトルの一部にバイオマスプラスチックを使用しています。 株式会社ファミリーマートでも、お弁当や麺、サラダなどの容器の一部にバイオマスプラスチックを活用していますし、同じくコンビニエンスストアを運営する株式会社セブン&アイ・ホールディングスが販売するプライベートブランドの商品の外包材も、一部はバイオマスプラスチックです。スーパーマーケットで有名なイオン株式会社のプラスチック製ビニール袋にもバイオマスプラスチックが使われています。 このように、プラスチックのリサイクルと一緒に「新しいプラスチック」について考えていくことも必要だと言えるでしょう。 導入企業参考資料→https://www.env.go.jp/recycle/plastic/bio/pdf/mat21012630_2.pdf プラスチックのリサイクル方法や新しいプラスチックについて理解し今後の行動につなげましょう 今回は「プラスチックのリサイクル方法」について取り上げました。現在、世界的に使い捨てプラスチックの使用削減や、プラスチックのリサイクルについて叫ばれています。以前に比べ、「環境問題を意識し、環境に優しい行動をとる」ことはずっと一般的になりました。 プラスチック製品は私たちの生活に浸透している便利なものですので、すぐになくすことはできません。しかし、リサイクル方法や新しいプラスチックについて理解し、今後を見据えた行動をとることは、これからの社会を生きていく上で大切なことだと言えるでしょう。 お客様の中にも環境問題への意識が高い方が増えています。環境問題を意識した取り組みをアピールすることで、お店のファンも増えるのではないでしょうか。
もっと見る飲食店におけるMEO対策とは?~対策のやり方やコツについて解説します~
最近飲食業界において、MEO対策が注目を浴びていることをご存じでしょうか? 飲食店の主な集客方法といえば、SNSの活用や食べログなどのグルメサイトの活用などでしょう。しかし、最近では上記以外にMEO対策を行い、集客を行う店舗が増えてきています。 ここではMEO対策やMEO対策に関連しているGoogleビジネスプロフィールについて、詳しく解説しています。 また、MEO対策のコツやメリットなどについても紹介しています。 新たな集客方法の1つにMEO対策を使っていきましょう。 飲食店に必須なMEO対策とは MEOとは、「Map Engine Optimization」の頭文字を取った言葉です。直訳するとマップエンジンの最適化という意味になります。 このマップとは基本的にはGoogleに登録されているマップと思っていただいても問題ありません。 Googleで地名と業種(カフェや焼肉など)を指定して検索すると、その地域にあるレストランが地図とともにいくつか表示されます。 ここで上位に表示されるための施策をMEO対策と言います。 上位に表示されると必然的に露出度が高くなるため、集客率が大きく上がるでしょう。 最近ではSNS以外にGoogleの検索でレストランを探す人が増えてきているので、今や飲食店においてMEO対策は必須です。 SEOとMEOの違いって?? HPやブログを作っている人であればよく聞く言葉で、SEOという言葉があります。 SEOとは、Search Engine Optimizationの頭文字を取った言葉です。GoogleやYahoo!などの検索サイトにおいて検索された際に上位表示をさせるための対策を指します。 MEOとの違いを一言でいうと、MEO対策は「Googleマップで検索上位を狙うもの」、SEO対策は「検索エンジンで上位を狙うもの」となります。 SEOは地域関係なく、情報コンテンツの中で上位検索結果を目指し、MEOは特定の地域の中で地図検索において検索結果上位を目指します。 MEO対策にはGoogleビジネスプロフィールの登録が必須! MEO対策を始める際には、Googleビジネスプロフィールの登録が必要になります。 Googleビジネスプロフィールとは、Googleが無料で提供している情報管理ツールです。 飲食店をはじめ、美容院やホテル、オフィスなどの店舗や会社などを登録することで、GoogleやGoogleマップで検索した際、結果に表示することができます。 Googleビジネスプロフィールは、Google検索やマップ検索で表示されやすくなることや、集客につながりやすいといったメリットがあることから、お店を経営しているオーナーであれば登録しておきたいツールです。 基本的には自分で登録しますが、Googleがネットから集めた情報やGoogleユーザーによって投稿された情報などから自動的に作成されることもあります。 ただし、自動的に作成されたものは情報が乏しい場合や間違った情報が掲載されていることがあるので、自分で作成・登録するようにしましょう。 Googleビジネスプロフィールの登録方法は以下のリンクを参考にしてください。 Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)のアカウント作成~登録手順|WEB集客ラボ 飲食店がMEO対策を行うメリット 飲食店がMEO対策を行うメリットは以下の通りです。 集客率アップが期待できる 上記でも紹介しましたが、「地名+サービス」を入力してお店を探す人が増えてきています。 この検索方法では今、もしくは今後行きたいお店を検索しているため、ニーズが明確です。ここで検索結果で上位に入ることができれば、来店または予約へ繋がる可能性が高くなり、結果的に集客率が上がります。 また、下記で詳しく解説しますが、多くの訪日外国人がレストラン検索する際にGoogleを使用しています。MEO対策をきっちり行っておけば、インバウンド需要も見込めるでしょう。 Googleビジネスプロフィールの視認性が上がる お客様は店舗情報をGoogleビジネスプロフィールから確認している傾向があります。 住所や電話番号、営業時間などの情報を入れておくと、それらを確認して来店、または予約してくれます。 Googleビジネスプロフィールにアクセスしてもらうためには、検索結果で上位に表示されなければいけませんが、表示されるようになれば高い集客効果が見込めるでしょう。 また、Googleビジネスプロフィールの情報が充実していれば、お店のHPを開設する必要がなくなるかもしれません。 口コミなどでお客様の声を反映できる Googleビジネスプロフィールには口コミ機能があります。お店を利用したことがない方の多くは口コミ情報を参考にするため、口コミ機能は重要です。 ただし、口コミの中にはネガティブな情報が書かれる場合があります。明らかに不当なものであれば削除依頼を出すことができます。 もし削除できない(実際に起きた)ネガティブな口コミが書かれた場合は、真摯に返信しましょう。真摯な返信がプラスに転じて、他のお客様から信頼を勝ち取る可能性があります。 飲食店がMEO対策を行うデメリット 飲食店がMEO対策を行った際に生まれるデメリットは以下の通りです。 口コミ返信や情報更新の手間がかかる MEO対策は無料でできるため手軽に始められるメリットがあります。その一方、営業時間や定休日などに変更があった場合は、内容を編集しなければいけません。 情報に不備があった場合はお店の印象が悪くなるため、常に正しい情報を掲載しなければいけません。 また、口コミが書かれた場合には返信を書かなければいけません。返信があるかないかでは、お店の印象に大きな影響が出ます。また、定型文ではなく、内容に即した返信の方が好印象を与えるので、手間でも1件1件丁寧な返信を行うようにしましょう。 お店とは関係ないマイナスな口コミが来る可能性がある MEO対策をしていると全く身の覚えのないマイナスな口コミが来ることがあります。 Googleビジネスプロフィール内の口コミは、誰でも書くことができるため、お店に来ていない人も書くことが可能です。 悪意のある人から「店主の愛想が最悪だった」「出されたラーメンが伸びていた」など、自分たちが絶対にやっていないということが書かれることがあるので注意が必要です。 口コミ削除依頼も可能ですが、対応には時間がかかる場合があります。なるべくこまめに変な口コミがないか確認するようにしましょう。 MEO対策で集客効果をアップさせるコツ Googleビジネスプロフィールに登録し、MEO対策をするだけでも多少の効果はあるでしょう。しかし、効果的にやるのとやらないでは集客に大きな差が出ます。 検索結果の上位表示されるためのコツは以下の通りです。 Googleビジネスプロフィールを多言語で登録する インバウンド需要が回復してきたので、訪日外国客を対象に集客することも重要です。 訪日外国人が最も利用する地図アプリがGoogleマップです。Googleマップの月間ユーザーは1億5440万人にも登り、多くの外国人はここから飲食店の情報を得ています。 ある程度の店舗情報は翻訳して表示されますが、一部は翻訳されないので、自分たちで店舗情報を多言語設定する必要があります。 今はGoogle翻訳などの翻訳アプリもあるので、それらを活用して最低でも英語と中国語は登録するようにしましょう。 最新情報を発信するようにする Googleビジネスプロフィールには投稿機能があります。この機能を使って店舗情報を最新のものにすることもMEO対策で重要なポイントです。 更新頻度が滞っている店舗は、Googleから信頼できない店舗と見なされる恐れがあります。 メニューの更新やキャンペーン情報発信などを行うと、Google側は最新情報を紹介していると判定し、検索結果の上位に表示するようにする可能性があります。 MEO対策は無料でできるので損なし! MEO対策はこれから主流となりうる効果的な集客方法です。誰でも簡単に無料ではじめられるので、これから多くの飲食店でも活用し始める可能性があります。 レッドオーシャンとなる前に、一日でも早くMEO対策を始めることをおすすめします。参考飲食店必見!効果的なMEO対策で集客力アップ
もっと見るテイクアウトの需要高まる秋!旬の食材を使ったお弁当の販売にチャレンジ
暑い夏が終わるともうすぐ秋。各地の山や公園が賑わう行楽シーズンです。屋外でのイベントを楽しむ際に欠かせないものと言えば「お弁当」!そこで今回はテイクアウトのお弁当のアイディアと最新トレンドについて解説します。 秋はテイクアウトの需要が高まる季節 夏の暑さが和らぎ過ごしやすくなる秋は、行楽シーズンとして多くの方が家族や友人とアウトドアイベントを楽しむ季節です。また、お月見や秋祭り、ハロウィンなど季節の行事も目白押し。「食欲の秋」を代表するおいしい旬の食材を取り入れたテイクアウトのお弁当を提供することで、秋ならではの需要に答えることができます。普段はテイクアウトを行っていないお店も、秋だけお弁当の販売にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?新たな顧客の開発や売上向上に繋がりますよ。 加えて、ここ数年コロナ禍が続いたことで、人々にとって以前より「テイクアウト」が身近なものになっています。状況が少し落ち着いた今年の秋は「おいしいテイクアウトのお弁当を買って出かけよう」と考えるお客様にアピールする絶好の機会でもあります。 テイクアウトのお弁当のアイディアを考える際のポイント テイクアウトのお弁当についてアイディアを考える際には、以下の5つのポイントを意識することが重要です。 旬の食材と人気の定番食材を組み合わせる 秋の行事にちなんだモチーフを取り入れる 彩に気を配る 盛り付けは華やかに 食中毒に気をつける それぞれについて詳しく見ていきましょう。 旬の食材と人気の定番食材を組み合わせる 1つ目のポイントは「旬の食材と人気の定番食材を組み合わせる」ことです。旬の食材にはその季節ならではのおいしさや、「その時期だけしか食べられない」というプレミアム感があります。秋は四季の中でも特に旬の食材が豊富です。「きのこ」「栗」「サンマ」「秋鮭」などが代表的ですが、その他にも次のような食材があります。 野菜:さつまいも 銀杏 かぶ かぼちゃ 魚:サンマ カツオ 果物:ぶどう 柿 すだち 旬の食材にプラスして、人気の定番食材を組み合わせることも大切です。例えば、焼肉やローストビーフなど、華やかなお肉のメニューを取り入れるとよりごちそうらしさを演出できます。チーズなどを活用した洋風のメニューも、若い年齢層には高い人気を誇っています。秋の行楽弁当では、「家族や親族みんなでおでかけ」の時にも選んでもらえるよう、幅広い客層に受け入れられる内容を意識することが大切です。 秋の行事にちなんだモチーフを取り入れる 2つ目のポイントは「秋の行事にちなんだモチーフを取り入れる」ことです。秋の行事や風物詩を連想させるデザインやモチーフを取り入れることで、より季節感を強調することができます。例えば、運動会や紅葉などにちなんだデザインにすることで、一段と秋らしさを感じるお弁当に仕上がります。また、9月なら「十五夜」「敬老の日」「秋分の日」、10月なら「ハロウィン」、11月なら「文化の日」「いい夫婦の日」「勤労感謝の日」なども取り入れやすいテーマです。 彩に気を配る 3つ目のポイントは「彩に気を配る」ことです。秋は紅葉の美しい季節。景色に負けないくらいお弁当の見た目にもこだわりたいところです。彩り豊かで鮮やかなメニューは、口だけでなく目でも味わうことができるため、お客様の満足度も高まります。秋の食材は「きのこ」や「くり」など、茶系に偏りがちですが、緑系・赤系の食材も積極的に取り入れて、コントラストに気を配りましょう。さつまいもなどは、オレンジ色の中身と赤い皮の対比が鮮やかで、色の面でも非常に優秀な食材ですね。 盛り付けは華やかに 4つ目のポイントは「華やかな盛り付けにする」ことです。お弁当の盛り付けも重要なポイントの一つ。食材同士の色の組み合わせや配置に工夫を凝らして盛り付けることで、より魅力的なお弁当に仕上がります。「映える」お弁当はSNSでも注目を集めやすいため、口コミでの評価も期待できます。 食中毒に気をつける 5つ目のポイントは、「食中毒に気をつける」ことです。夏に比べると秋は気温が下がるため、食中毒のリスクが減ると思われがちです。しかし、近年は温暖化の影響もあり、10~11月になっても暑い日があります。テイクアウトの行楽弁当は屋外で長期間持ち歩くことが想定されますので、加熱調理の徹底など、食中毒のリスクを最小限に抑える対策が必須となります。 SNSで大人気!「映える」お弁当のトレンドは? 前項でも述べた通り、お客様の目に留まるテイクアウトのお弁当に仕上げるためには「旬の食材をふんだんに取り入れる」以外に、彩りや盛り付けなどにも気を配る必要があります。気軽に写真を撮って友人や知人とシェアする時代ですから、「SNS映え」への対策も欠かせません。そこで、今SNSで大人気の最先端の「映え」をご紹介します。 萌え断健在!遊び心満載のおいなりさん ボリューミーなサンドイッチやおにぎらずをカットし、その断面の華やかさを写真でアピールするのが大流行したのは記憶に新しいところでしょう。現在は流行が去ったというより、日常に定着したと言って良いかもしれません。華やかな断面は「萌え断(=萌える断面)」とも言われ、SNSで人気ワードとなりました。 この「萌え断」は現在も健在!今年は「中身を見せるおいなりさん」としてSNSを中心に大流行しています。いなり寿司といえば、油揚げでクルリと包まれた独特のフォルムがかわいらしいメニューですね。 しかし、「中身を見せるおいなりさん」ではごはんを詰める入り口の部分を隠さず、あえて上向きに盛り付け、ごはんの上にデコレーションを加えることで見た目の華やかさをアップしています。さくらでんぶや炒り卵で三食ごはんのような見た目にしたり、グリーンピースやエビを散らしたり。さまざまな「映える」工夫が生み出されています。飾り付けたおいなりさんをお弁当箱にならべれば、それだけで抜群の可愛さです。 ごはん版の「萌え断」としては、このおいなりさん以外に太巻きも人気です。太巻きはもともと定番のお弁当メニューですが、たくさんの具材を巻いてカットすることでバリエーション豊かな断面を簡単に作れることで人気を集めています。韓国ブームの影響もあり、若者の間で韓国版ののり巻き「キンパ」が定着したことも理由の一つかもしれません。 くるくる巻くだけ!トルティーヤやサンドイッチ パンを使った「映え」メニューでは、パンで具材をクルクル巻いたサンドイッチやメキシコ料理のトルティーヤが人気です。トルティーヤは生地の中にウインナーやチーズなど、子どもの好きな食材を入れやすい点も注目を集めている理由のようです。可愛らしいペーパーナプキンやセロファン、リボンなどで飾り付ければたちまちパーティー感もアップ。最近ではトルティーヤの生地がスーパーで手軽に手に入ることもあり、若い世代にはごく一般的なメニューとして浸透しています。 メニューだけじゃない!容器や包みにも注目! 「映え弁」で大切なのはメニューだけではありません。お弁当の入っている容器も重要です。最近はレトロブームが加速していることもあり、「中身を見せるおいなりさん」を重箱風のお弁当箱や曲げわっぱ風のお弁当箱など、和風の容器に詰めることが流行しています。そのお弁当箱を色鮮やかなミニ風呂敷で包めば、広げた時の写真映えもバッチリです。テイクアウトのお弁当のアイディアを考える際は、ぜひ容器や包みにも注目してください。 ポイントを押さえて素敵な行楽弁当を! 今回は「秋の味覚を使ったテイクアウトのお弁当」について取り上げました。外出しにくかった昨年までと比べ、今年は行楽地にも人が戻りつつあります。このチャンスを活かし、ぜひ新たな顧客を開拓しましょう。メニュー作りのポイントを押さえつつSNSのトレンドを意識し、「おいしく映えるテイクアウト弁当」の販売を始めてみてはいかがでしょうか?
もっと見る飲食店やカフェを全面禁煙化することで得られるメリットやデメリットとは?
2020年の4月に施行された改正健康増進法によって、飲食店は原則屋内禁煙となりました。 開店日や店舗規模によっては喫煙できますが、今度改正によって喫煙できなくなる可能性はあります。 飲食店やカフェの中には将来を見越して店内を全面禁煙化にしたところも少なくありません。 しかし、飲食店オーナーにとって、店内を全面禁煙化にするのは不安があると思います。 ここでは店内を全面禁煙化したことによって得られたメリットやデメリットを紹介しています。 店舗を運営している方やこれからお店を開店する方はぜひ参考にしてください。 飲食店やカフェを全面禁煙にするメリット 店内を全面禁煙したことでどんなメリットが生まれるのか、代表的なものを3つ紹介していきましょう。 女性客やファミリー層が増える 1つ目は女性客やファミリー層のお客様が増えることです。 国立がん研究所が調査した全国の成人喫煙率によると、男性が27.1%、女性が7.6%でした。 出典:喫煙率|がん情報サービス これによって喫煙者は男性の方が3倍以上多くいることが分かります。 女性や子どものいるファミリーはタバコを避けたいという傾向があります。喫煙できるお店の場合、行きたいと思っていても諦めていたかもしれません。 しかし、全面禁煙となったことで女性やファミリーといった新規顧客の獲得につながるでしょう。 食事の味を楽しんでもらうことができる 非喫煙者であればどんな素晴らしい料理に囲まれていても隣でタバコを吸われていると、臭いが気になり料理の味が楽しめないという経験があると思います。 非喫煙者は特にタバコの臭いに敏感です。少しの臭いだけでも反応してしまい、食事に集中できなくなってしまいます。 完全に禁煙化することで、タバコの臭いを気にすることなく、自分たちの料理の味を楽しんでもらえるようになるでしょう。 お店の回転率が早くなる 喫煙者はタバコを吸いながら料理やお酒を飲むため、非喫煙者と比較するとお店の滞在時間が長い傾向があります。 喫煙者の中には食後にタバコを楽しむ人もいるので、そうなると回転率が悪くなってしまいます。 飲食店やカフェを全面禁煙にするデメリット 上記では店内を禁煙化することで良かったことを紹介してきました。新規顧客の獲得やお客様の満足度が上がる一方、悪かった点もあります。 客単価が下がる 喫煙者と非喫煙者を比較した際、喫煙者の方が一回の食事で支払う金額が多い傾向にあります。 FNNプライムオンラインが発表したデータによると、1回の食事で5,000円以上支払う割合は喫煙者が31.5%、非喫煙者は17.3%と倍近くの差がありました。 出典:喫煙者の方が外食頻度も支出金額も多い“重要なお客様”!?飲食店に求められる対応を聞いた|FNNプライムオンライン この理由としては、喫煙者はタバコと一緒にお酒を楽しむ傾向があるためと考えられます。お酒とタバコの相性はよく、さらに料理も一緒に注文するので食事代が上がるのでしょう。 また、同調査では喫煙者の方が食事に行く頻度が多いことや、グループで食事に行く傾向があるとも発表されています。 喫煙者が入店できなくなると、機会損失を生み出してしまうかもしれません。 男性客を主体としているお店の場合は対策をしなければいけない 焼鳥屋やバーのような男性がふらっと立ち寄るようなお店の場合、顧客離れが起きる可能性があります。 男性喫煙者の年齢層を見ると、30~50代が最も喫煙率が高い世代です。その世代は1人や会社の同僚と飲みに行く機会が多いため、お店によってはメインターゲットとしています。 しかし、完全禁煙にしてしまうと、そのメインターゲットを変更するか、何かしらの対策を設けないといけません。 例えば、外にタバコを吸うスペースを作る、分煙室を作るなどといった方法がベターでしょう。 禁煙化対応にコストがかかる お店を全面禁煙にする際には、コストがかかってしまいます。これまで喫煙可能にしていた場合、臭いを完全に取り除く必要があります。 消臭やヤニのついた壁の掃除、ひどい場合はクロスの張替えなど工事が必要になることも。 臭いが残ったまま営業してしまうと、禁煙者からタバコの臭いがするとクレームが来る可能性があり、全面禁煙した意味がなくなるかもしれません。 禁煙化はお店の売上減少になる? 上記で禁煙化によって客単価が下がる可能性があることについて紹介しました。一方でファミリー層や女性客の流入が増える可能性もあります。 お店側としては禁煙化によって一番気になるのは売上の推移でしょう。 実際のところ売上はどうなるのか、飲食店の情報を加えながら紹介していきます。 お好み焼き「千房」では売上が4.9万円増加 飲食店ドットコムジャーナルの取材によると、大阪のお好み焼き専門店「千房」グループは全店舗で禁煙化したところ、1日あたりの売上が平均4.9万円増加したそうです。 特に高級路線の店舗において売上が増加したようで、理由としてはタバコの煙を気にせずにゆっくりと食事を楽しめる環境になったことで注文数が伸びたからと予想されています。 参考:飲食店3店舗が語る“禁煙化”がもたらす長期的なメリット。売上アップに成功の店舗も!|飲食店ドットコムジャーナル 全国の飲食店の約半数は「売上に変化なし」という返答 クックビズが「飲食店の禁煙化に関する調査」を行ったところ、60%ものお店が売上に変化はありませんでした。 また、12%が売上増加、28%が売上減少という結果となりました。 売上が増えた理由としては、「回転率が上がった」「店内の空席率が下がった」ことがあげられています。 一方、売上が下がった要因は「非喫煙者はお酒を飲まないので単価が下がった」「ビジネス客が減った」とされています。 ただし、売上減少は一時的であるという意見もあったそうです。 売上が変わらない店舗でも「ファミリー層や女性客が増えた」「(掃除にかかる)経費が減った」「店内の飲食環境が改善された」など、ポジティブな意見が多数寄せられたそうです。 参考:禁煙化実施の都内飲食店60%は「売上に変化なし」。5割が全面禁煙化に賛成との結果に。|AMP News 全面禁煙化をする際の注意点 店内を完全に禁煙化する際に注意しておくべき点は以下の2つです。 ・メニューの変更を検討する ・従業員の理解を得ておく これらについて詳しく解説していきましょう。 メニューの変更を検討しておく ここまで読み進めてきたことで、全面禁煙化によって客層が変わっていくことが分かっていただけたかと思います。 ファミリー層や女性客が増えると予想されるため、これまでと同じメニューでいいかどうかはしっかり検討していった方がいいでしょう。 お酒で売上を確保していた店舗の単価は下がる可能性があります。フードメニューを充実させる、女性やファミリーにうけるものを考案するなど対策を考えていきましょう。 従業員の理解を得ておく もう一つの注意点は従業員の理解です。 店内を全面禁煙化する際に従業員から反発があったという飲食店は少なくありません。 「これまでの常連さんがいなくなってしまう」「売上が下がるんじゃないか」などという声は上がってくるでしょう。 そういった意見が出てきた際は、全面禁煙化によるメリットを述べる、売上予測を見せるなど、きっちり話し合って理解してもらうことが重要です。 全面禁煙化を行う前にきっちり準備しよう お店を全面禁煙化するのは勇気がいると思います。「これまでの常連さんがいなくなるのではないか」「売上が下がるのではないか」などネガティブなイメージばかりが出てきてしまうのは仕方ないでしょう。 確かに一時的には売上は下がるかもしれません。しかし、長期的に見ると客層が増え、売上が伸びる可能性は十分にあります。 重要なことは事前準備を怠らないことです。いろんな打ち手を考えつつ、全面禁煙化を進めていきましょう。
もっと見る真空調理とは~素材の旨味を最大限に引き出す画期的な料理法~
真空調理は高級レストランなどで使われていた調理法ですが、近年病院や老後施設などでも活用され始めています。 食材を美味しく、かつ栄養を保ったまま調理できるなど、さまざまなメリットがあり、新調理システムの1つに挙げられています。 ここでは、真空調理のメリット・デメリット、真空調理に必要な調理器具、クックチルとの違いなどを細かく解説しています。 ・真空調理を導入しようか検討している ・真空調理について知りたい 上記に当てはまる方はぜひ最後まで読み進めてください。 真空調理とは?~料理の常識を変えた新たな手法~ 真空調理とは、新調理システムとも呼ばれる調理法で1979年にフランスで開発されました。 食材と調味料を専用の袋に入れ、真空パック器で真空密閉し、湯煎やスチームコンベクションなどで低温加熱(95℃以下)して調理します。 95℃以下の温度で加熱するため、一般的な調理方法よりも熱の入り方が柔らかい特徴があります。 加熱後はブラストチラーなどの急速冷却機で急速冷凍し保存します。 大量調理する際に手間がかかるかもしれませんが、食材の旨味を活かせる、栄養を損なわないなど、さまざまなメリットがあります。 ホテルやレストランはもちろん、今では病院や老後施設などでも活用されています。 真空調理のメリットとデメリット~メリットだけではなくデメリットを知っておくことも重要~ 真空調理法にはメリットとデメリットがあります。真空調理は向いている料理と向いていない料理があるため、これらを把握してどう活かすか参考にしてください。 真空調理のメリット 調味料を少なくでき、味も染みこみやすい 真空調理では袋の中を密閉状態にするため、食材に調味料が染みこみやすくなります。また、通常の調理よりも調味料を少なくしても、しっかり味が浸透するので調味料の節約になるほか、塩分を控えめにしても味がつきやすくなります。 お肉を柔らかくできる 真空調理では95℃以下の低温で調理するため、ゆっくりと火が入ります。そのため、たんぱく質の凝固を緩やかにすることや水分が抜けにくくなるため、特にお肉は柔らかく仕上げることができます。 栄養素を損ないくい 真空状態で調理するため、食材の栄養素の流出を最小限にすることができます。特にビタミンは水溶性のものが多いため、一般的な調理方法(特に煮る作業)の中で流出してしまうことが多いです。 病院や介護施設など、栄養面に気を配っているところにおいて重要な栄養素の流出を防げる点で真空調理は画期的な調理方法でしょう。 真空調理のデメリット 衛生管理が悪いと食中毒が出る恐れがある 真空調理は低温調理のため、食中毒を起こしてしまう恐れがあります。 食中毒のリスクを避けるためには、 「手洗いを徹底する」「調理時には手袋をはめる」「まな板や包丁などの調理器具の洗浄・消毒を徹底的に行う」「できる限り新鮮な食材を使う」など守ることが必要です。 焼き料理には向いていない 真空調理ではステーキのような香ばしさは出せません。香ばしさを出すためには150度以上に加熱して、メイラード反応を起こす必要があります。 真空調理の場合、95度以下で調理するため、メイラード反応を起こすことができません。 初期コストがかかる 真空調理を行うためにはさまざまな調理器具を購入しなければいけません。必要な器具は次に紹介しますが、全て揃えるとなると最低でも300万円程度はかかるでしょう。 真空調理器具の選び方~失敗しないためのおすすめのポイント~ 真空調理に必要なものは主に「真空パック器」「ブラストチラー」「スチームコンベクション」の3つです。 それぞれの調理器具の選び方や知っておきたいポイントを解説していきましょう。 真空パック器の選び方 真空パック器は値段が上がるほど、機能面や容量が大きくなる傾向があります。 まず知っておきたい点として、真空パック器には「吸引溝タイプ」と「ノズルタイプ」の2種類の脱気方法があることです。 ノズルタイプは手軽で使いやすく、価格も安い傾向にありますが、空気が入りやすく真空調理にはあまり向いていません。密閉力のある吸引溝タイプがおすすめです。 また、真空調理をする際や保管時に空気が漏れださないよう、シール時間を長めにできるタイプを選びましょう。 専用の袋を購入する際も注意が必要です。袋の素材によって「シールのみ可能なもの」「脱気からシールまで可能なもの」とあるので、必ず脱気からシールまで可能なものを選ぶようにしましょう。 ブラストチラーの選び方 新品か中古品か ブラストチラーはメーカーや容量によって価格は異なりますが、どちらにしてもかなり高額になります。 そのため、中古で購入するか新品を購入するかで迷うでしょう。 まず中古品と新品の違いでいうと保守サポートがあるかどうかです。中古品にも保守サポートがついている場合はありますが、対応が遅かったり、不具合によっては対応してもらえなかったりします。 また、新品の場合、リース購入も可能です。月々の支払いはあるものの、万が一商品が合わなかったり、途中で辞めたりすることができる点でリースはおすすめです。 サイズや機能面 ブラストチラーの容量で価格は大きく異なります。容量を大きくすると百万円単位で価格が変わります。 ブラストチラーは真空調理以外にクックチルなどにもさまざまな調理法に対応できるため、活用方法やお客様の規模で容量を選ぶといいでしょう。 機能面ですが、自動洗浄がついているもの、食材の凍結を防ぐ機能がついたもの、霜取り機能がついたものなどメーカーによってさまざまです。 清潔に使用していくために洗浄機能や殺菌システムなどはあった方がいいかもしれません。 スチームコンベクションの選び方 スチームコンベクションの選び方はブラストチラーとほとんど同じです。 こちらも非常に高価な調理器具であるため、新品か中古、どちらを購入するのか、機能面やサイズ面などもレストランの規模や作るものをみて検討しましょう。 ただ、一点知っておいてほしいことが電気式かガス式の型式に分かれているところです。 電気式は熱回りが均一でムラなく仕上がりやすいメリットがあります。ガス式は火力が強く、立ち上がりが早い点があります。 どちらを選んでもさほど大きな差はありませんが、電源設備において、電気式は200V電源が必要になります。ガス式は100V電源があれば使用できるので、電気設備を確認したうえでどちらを購入するか検討するといいでしょう。 クックチルと真空調理法の違いとは?~似ているようで異なる点を解説~ クックチルは真空調理と並んで新調理システムの1つです。 クックチルを簡単に紹介すると、「加熱調理した後、90分以内に急速冷凍し、食事を提供するタイミングで再加熱する調理法」です。 真空調理と似たような調理法ですが、袋詰めして真空したものを加熱するものが真空調理、通常の加熱調理後に急速冷凍するものがクックチルです。 また、ニュークックチルという調理法もあります。これは加熱調理後に急速冷凍するまではクックチルと同じです。その後盛り付けを行った状態でチルド保存する点でクックチルと異なります。 提供時には器ごと再加熱し、そのまま提供できるため、病院や老後施設などで活用され、スタッフの負担軽減に貢献しています。 真空調理は画期的な調理方法 真空調理は食材の良さを引き出し、なおかつ栄養を損なわない画期的な調理方法です。 ただし、メリットを活かすためには加熱段階や食材の下ごしらえの段階で注意が必要になります。 導入時には真空調理の研修やマニュアルをしっかり作りこむなど教育を行いましょう。
もっと見るセントラルキッチンとは?歴史や仕組み、導入のメリット・デメリットまで解説
飲食店の未来は「厨房の外」で決まる。コストを劇的に削減し、どの店舗でも変わらぬ“最高の味”を実現するセントラルキッチン。その導入メリット6選から、成功と失敗を分ける致命的な落とし穴までを徹底解説。あなたの店の成長を加速させる一手、ここにあり。
もっと見る今すぐできる!飲食店の利益率をアップさせる取り組み
「売上はそれなりにあるはずなのに、なぜかカツカツだ」「いつも満席なのに儲からない」など、店舗の利益率に関する悩みを抱えている飲食店オーナーの方は多いのではないでしょうか? そこで今回は「飲食店の利益率向上」について特集。今すぐできる利益率アップのための工夫について紹介します。そもそも「利益率」とはどんな数値なのか、利益率が低くなる原因は何なのかなどについても解説しますので、ぜひお読みください。 利益率とは?飲食店の営業利益率の目安 そもそも「利益率」とはどのような数値なのでしょうか? また、飲食店を経営する場合、利益率はどの程度を目安にすれば良いのでしょうか? 利益率とは? 「利益率」と一言で表現した場合、該当するものは複数種類あります。その中でも飲食店においてよく指標となっているのが「粗利益」と「営業利益」の2つです。 「粗利益」は、提供するメニューがきちんと利益を出せているかを調べるための数値です。料理の売上金額から料理の原材料費を差し引いたものを「利益」として考え、それが売上のどのくらいの割合なのかを考えます。1,000円売上ていても、材料費に1,500円かかっている海鮮丼では提供すればするだけ赤字になってしまいますよね。そのようなことが起こらないよう、メニューを適正な価格で調整するための指標です。 それに対して「営業利益」はもう少し複雑です。料理の原材料費だけでなく、家賃や光熱費、人件費なども経費として考え、それらを差し引いてもきちんと利益が出ているかどうかを判断するための数値となります。料理だけで考えれば十分黒字でも、アルバイトを雇いすぎて人件費が膨大にかかっていたり、高い家賃を払っていればトータル的には赤字になってしまいます。店舗の営業すべてを総合的に見る数値が「営業利益」なのです。 粗利益と営業利益はどちらも大切な数値ですが、今回は店舗運営に関して総合的に考えたいので、「営業利益率」を指標とします。 飲食店の営業利益率の目安 では、飲食店の「営業利益率」はどのくらいが目安なのでしょうか? 提供している商品の種類によってもかなりバラつきがありますが、一般的に、黒字になっている飲食店の営業利益率は5%前後だと考えられています。利益率の見直しをはかる際は、ひとまずこの数値を参考にすると良いでしょう。 利益率が低い理由 自店の利益率が目安の数値より低い場合、その理由を考える必要があります。飲食店で利益率が下がってしまうよくある原因は次の4つです。 家賃や人件費が高すぎる 1つ目は家賃や人件費に関する問題です。駅に近い店舗は、集客力がありますがその分家賃も高くなりがちです。また、アルバイトの人数を増やせば、接客や調理は楽になりますが、人件費がかかりすぎてしまいます。家賃や人件費は料理以外の部分のコストになりますが、金額が大きいため、まず見直しをはかりたいポイントです。利益率が伸び悩んでいる店舗は、これらのバランスが悪いケースが多いといえます。 提供する料理のコストに関する問題がある 2つ目は提供する料理のコストに関する問題です。原価の高い料理ばかり揃えてしまったり、原価の低い料理が存在していても注文が伸び悩んでいたりすると、なかなか利益率は上がりません。その他、発注管理に曖昧さがあり、廃棄する食材が多いことが利益率に影響している場合もあります。 回転率に問題がある 3つ目は回転率に関する問題です。常時満席で一見繁盛しているように見える店舗でも、少ない注文で長時間居座るお客様が多いとなかなか売上は上がりません。長い時間食事を楽しんでもらう場合はそれなりに多く注文してもらわなくてはなりませんし、もし多く注文してもらうことが難しい場合は回転率を上げななければ利益率も上がりません。 低価格競争に参加している 4つ目は低価格競争に関する問題です。周辺に激安店が多い場合、どうしても料理の価格を下げざるを得ません。仕方のないことではありますが、価格競争に参加し、「より安く」を追求してしまうと、個人店の場合、利益率は上がりにくくなります。 利益率を上げるためにできる工夫 利益率が低くなる原因を分析すると同時に、利益率を上げるための工夫をすることも大切です。利益率を上げるためにできる代表的な取り組みは下記のとおりです。 仕入管理を徹底して食品ロスを減らす 1つ目は仕入管理の徹底です。定期的に在庫の確認を行い、仕入過ぎて廃棄になっている食材がないか洗い出しを行いましょう。廃棄食材を減らすことは利益率向上に有益なだけでなく、食品ロス削減にも繋がります。冷凍食品など、日持ちする材料を活用したメニューを増やす工夫もおすすめです。 また、仕入管理による廃棄食材は少なくても、オーダーミスなどで食材が無駄になっているケースもあります。接客スタッフと話し合い、オーダーミスを減らす取り組みにも力を入れましょう。 回転率を上げる工夫をする 4つ目は店舗の回転率を上げる工夫をすることです。思い切ってメニューの数を絞ることで1組のお客様の滞在時間を短くしたり、4~6人向けのゆったりとした座席ではなく、1~2人向けのテーブルやカウンター席を増やすことで多くのお客様を入れたりする取り組みをしてみましょう。 もし、「お客様にはゆっくり過ごしてもらいたい」という希望がある場合は、客単価を上げる工夫や、追加注文をしてもらいやすくする取り組みが必要です。 スタッフの人数を調整する 2つ目は人件費削減に力を入れることです。家賃を今すぐ安くすることは難しくても、人件費は工夫次第で減らせます。お客様の少ない時間帯に、アルバイトの接客スタッフを配置しすぎていないでしょうか? 仕事中、手持無沙汰になることは、スタッフのやる気にも影響します。各時間帯のお客様の人数を洗い出し、適切な人数のスタッフを配置するよう心がけましょう。 原価率の低い料理や飲み物を売る工夫をする 3つ目は原価率の低いメニューを売る工夫をすることです。たとえば、原価率の低い料理や飲み物をメニューの目立つ場所に載せ、「おすすめ商品」にするのはいかがでしょうか? また、接客スタッフが注文を取る際、「○○がおすすめです。いかがですか?」とお客様に直接すすめる方法もあります。 旬の食材を使った限定メニューなどは原価が安くても「今が旬ですよ」とおすすめしやすい傾向にあります。もちろん原価率の高い華やかな目玉商品も大切ですが、それだけでは利益が出にくいので、双方を上手にミックスして売上をのばしましょう。 ポイントを押さえて利益率アップを! 今回は飲食店の利益率向上について取り上げました。店舗の利益率を考える場合、まずなぜ利益率が低いのかをしっかり洗い出すことが大切です。原価率の問題なのか、廃棄が多すぎるのか、それとも人件費が高いのか……など、原因を明らかにすることで取るべき対策もおのずとはっきりしてきます。併せて、利益率をアップさせる工夫にも積極的に取り組みましょう。中でも原価率の低い料理を積極的に売り込むことは短い期間でも効果の出やすい方法です。接客スタッフと上手に連携し、従業員一丸となって利益率アップを目指しましょう。
もっと見る鳥インフルエンザによる卵不足と価格の高騰!回復の見込みは?ヴィーガンエッグは救世主となるか?
昨年(2022年)秋頃から今年の春先にかけて鳥インフルエンザが大流行し、多くの鶏が殺処分されたことは記憶に新しいのではないでしょうか?その影響で、現在、まだ卵不足と卵の価格高騰が続いています。「この卵不足はいつ終わるのだろう?」と不安に思っている飲食店オーナーの方も多いことでしょう。 そこで今回は「鳥インフルエンザによる卵不足とヴィーガンエッグ」について特集。なぜ卵不足や卵の価格高騰が長引いているのか、これはいつ頃終わるのか、また、最近話題の「ヴィーガンエッグ」は卵の代わりとして活用できるのかなどについて解説します。 鳥インフルエンザと卵の価格高騰の関係 他の食品が次々値上げされる中、卵は数十年単位で大きな価格変動がなかったことから「物価の優等生」とも呼ばれていました。しかし、昨年後半に大流行した鳥インフルエンザの影響で、ここ半年ほど、卵の価格は今までに類を見ないほど高騰しています。 今までにも鳥インフルエンザが流行したことはありましたが、なぜ今回はここまで卵が値上がりしてしまったのでしょうか?また、卵の価格はいつ頃落ち着くのでしょうか?理由や卵の価格に関する今後の見通しについて説明します。 鳥インフルエンザの影響で卵の価格が高騰する理由 鳥インフルエンザの感染が拡大すると、感染を防ぐために農場の鳥が全て殺処分されるという対応が取られます。このため、感染が広がると大量の鶏が処分され、結果的に卵の生産量も大きく減少します。 昨年(2022年)秋から今年の春先にかけ、日本では鳥インフルエンザが大流行しました。流行の始まった時期が例年より格段に速く、また今までで最悪とも言われる感染規模でした。また、今回の鳥インフルエンザは日本のみならず海外でも猛威を奮っており、国内・国外を問わず卵不足の状況が続いています。 これに加え、鳥のエサとなるトウモロコシなどの飼料価格が高騰していることも卵の値上がりに拍車をかけました。飼料価格の高騰にはロシアのウクライナ侵攻も関係しています。 卵の価格高騰が落ち着く時期 鳥インフルエンザの感染が一段落し新たに鶏が飼育されて生産量が回復すれば、卵の価格もまた落ち着く傾向にあります。現在、鳥インフルエンザの流行は収束しつつありますが、殺処分となった鳥たちの影響が完全に元に戻るのには1年程度かかるだろうと予測されています。 卵の価格は、海外での鳥インフルエンザ流行状況や、ロシアのウクライナ侵攻により高騰した飼料価格の安定状況も関係するため、「〇月頃には確実に値上がりが落ち着く」と予測するのは難しいと言えます。今後の動向について、専門機関の発表や報道から目が離せません。 ヴィーガンエッグ(代用卵)は卵不足の救世主となるか? 卵不足や卵の価格高騰が長引くにつれ注目を集めているのが「ヴィーガンエッグ」をはじめとする代用卵です。ヴィーガンエッグは、ヴィーガン(生活をする上で、できる限り動物を搾取しない選択をする方)や卵アレルギーの方が卵の代替品として活用できるよう開発されました。原材料や味、価格などについて見ていきましょう。 ヴィーガンエッグの原材料は? ヴィーガンエッグとは、海藻や豆乳など、植物由来の成分で作られた卵の代替品です。ニュートリショナルイーストや塩分などで色や味を卵に似せてあることが特徴。動物由来の成分や原材料を避けることで、卵アレルギーの方だけでなく、ヴィーガンでも卵の風味を手軽に楽しめるようになりました。 ヴィーガンエッグの栄養素は本物の卵と異なる? ヴィーガンエッグと本物の卵とでは、当然ながら栄養素に差があります。卵はタンパク質やビタミンB群などを豊富に含む一方で、ヴィーガンエッグは具体的な栄養素がどの程度含まれているかは、その原材料に依存します。 基本的にはヴィーガンエッグは植物由来の成分で作られているため卵に比べて消化しやすいと考えられています。また食物繊維が豊富な傾向にあるため、お腹の調子を整えるのにも適しています。 ヴィーガンエッグの形状と味は? ヴィーガンエッグは粉末状のものが多数を占めており、使用する前に水で溶くことで、オムレツやスクランブルエッグなどの料理に使用できます。味に関しては商品により異なりますが、しっかり味つけして火を通すなどすれば、本物の卵と見分けがつかないクオリティです。 ヴィーガンエッグの価格 ヴィーガンエッグはこれまで、ヴィーガンや卵アレルギーの方のために販売されてきました。そのため流通量が多くなく、価格はまだ一般的に通常の卵よりも高い傾向にあります。しかし、今後ヴィーガンエッグの存在が広まり、市場に流通する量が増えれば価格も今よりずっと安価になるかもしれません。 時代の鍵を握る「エシカル消費」 ヴィーガンエッグはまだまだ価格が高く、「不足・価格の高騰化した卵の代わり」として活用するのは難しそうです。しかし、別の観点から考えると、飲食店にとってヴィーガンエッグは重要な食材です。これからの時代に重要となるキーワード、「エシカル消費」について見ていきましょう。 エシカル消費とは? エシカル消費とは、「エシカル」つまり「倫理的・道徳的」な視点から消費行動を行うことです。SDGs(続可能な開発目標)に関連する取り組みとして、2015年以降大きな注目を集めています。 地域の活性化や雇用、人権、環境などを考慮し、それぞれの商品やサービスがどのように生産・提供されているのか、その生産過程を理解した上で消費行動を行うことを目標としている点が特徴。また、自分が消費することで直接的・間接的に影響を与える社会全体の課題解決に貢献することを目指しています。 消費者のエシカル消費に関する意識が高まっている理由 近年、環境破壊をはじめとする地球規模の問題が深刻化しているのは周知の事実です。その反省を踏まえ、「自分だけが良ければ何でもいい、はやめよう」「自分だけでなく社会や環境がよりよくなるように考えて行動しよう」という意識が全世界的に高まっています。それが、エシカル消費に関する意識の高さへとそのまま繋がったと考えて良いでしょう。 1人ひとりが日々の消費行動を通じて社会的な課題に取り組むことで、社会問題解決の一翼を担うことができます。「自分の小さな行動が大きな社会に繋がっている」という意識で行動する若い消費者が増えています。 飲食店がエシカル消費を意識するメリット 飲食店がエシカル消費を意識することで、社会貢献だけでなく、店のブランドイメージの向上を期待できます。ブランドイメージが上がれば、話題性にも繋がりますし、顧客の信頼と満足度も獲得できます。 消費者の意識が変わりつつある現在、エシカル消費を意識したメニューやサービスを提供することで、その流れを先取りし、「社会全体と共に成長していく店」をアピールすることが可能となります。 エシカル消費とヴィーガンエッグ ヴィーガンエッグは、動物を使わずに製造された卵の代替品であり、「動物の福祉や環境保全に配慮した商品」としてエシカル消費の観点からも評価されています。ヴィーガンエッグを使ったメニューを提供することで、そういった意識の高い顧客の支持を得ることができるのです。 ヴィーガンエッグの可能性を試すチャンス 今回は「鳥インフルエンザの流行による卵不足とヴィーガンエッグ」について取り上げました。卵の価格高騰は一般消費者だけでなく、飲食店にとっても死活問題です。ヴィーガンエッグをはじめとする代用卵は、その値段の高さから「どんどん使える卵の代わり」として活用するのはまだ難しそうです。しかし、ヴィーガンエッグは「エシカル消費」という最先端の価値観を体現する食材でもあります。ぜひこの機会にヴィーガンエッグの可能性を試してみるのはいかがでしょうか?
もっと見る飲食店における衛生管理の5つのポイントとは?衛生管理の目的ややっておくべき点を紹介します!
飲食店を経営していく中で最も重要としているのは、「料理の味」ではないでしょうか。 もちろん料理の味はとても大切です。しかし、これはお店があくまで安全な食べ物、安全な環境といった安全面が提供できている状態であることが必須です。 普段お店の衛生状態はどのように管理していますか? しっかりできているかどうかを確認していますか? もともと日本の衛生環境は良く、どのお店もある程度はキレイにしています。しかし、コロナを機に敏感になってきているので、これまで以上の衛生管理が必要になっているところもあります。 本記事では飲食店の衛生管理で守るべき点、やっておくべき点などについて紹介しています。 ちゃんとできていると思っている方も衛生管理について今一度見直していきましょう。 飲食店における衛生管理の目的とは? 衛生管理をしっかりしなければいけないというのは、なんとなく分かっていると思います。しかし、目的まではっきり分かっている人は少ないのではないでしょうか。 衛生管理をしっかり行う理由や目的を把握しておくことで、自分だけでなく、スタッフも一層気を配れるようになれます。 衛生管理の目的は主に3つです。 お客様の健康を守るため 1つ目はお客様の健康を守るためです。「衛生管理を行う=食中毒を防ぐ」ということはおそらく全員の共通認識だと思います。 しかし、食中毒を出さない目的はお店に被害を出さないため、マイナスなイメージを与えないためということになってしまっており、お客様の健康を害する恐れがあるということを忘れがちです。 食中毒は最悪の場合、死につながる恐れがあります。生死を問わない方が多いですが、健康を害することは間違いありません。 自分が食中毒にかかったらと、相手の立場にたつと、普段の衛生管理の意識が上がるようになるでしょう。 お店の信用を守るため 2つ目はお店の信用を守るためです。 一度食中毒を起こすと、一気にお店の信用が落ちてしまいます。最悪の場合、閉店に追い込まれる可能性だってあります。 信用を失くすのは食中毒だけではありません。異物混入やテーブルの汚れ、トイレの汚れなど、衛生面に問題があると、お客様は一気に離れてしまうでしょう。 飲食店は料理が美味しいだけでなく、清潔を保つことも信用を守るために重要です。 利益の向上につなげるため 3つ目の理由は利益の向上につなげるためです。 特に女性が初めてお店を訪れる際にチェックしているのが衛生面です。口コミで料理は美味しいけれど衛生面が良くないと書かれていた場合、その口コミを見た方はお店に来てくれない可能性があります。 以前とある会社が行ったアンケートで「初めて利用した飲食店をもう一度リピートしない理由は何か?」という問いに対して、「お店の衛生状態が気になる」と答えた人が34%もいました。 お店が清潔かどうかはお客様が重要視していることが分かります。 ここはやっておくべき衛生管理のポイント 上で紹介した衛生管理の目的を守るためには、普段から衛生管理に気を配らないといけません。ただ、忙しい中、あれもこれもやるとなると他のことに手が回らなくなる恐れがあります。 ここでは衛生管理でやっておくべきポイントを5つ紹介します。これだけはしっかり守ってください。 ポイント①手洗いはこまめに行う 手洗いは一番といってもいいほど、衛生管理の中では基本的なことです。手を清潔に保つことはもちろんですが、手洗いをしっかりしないといけないという意識が大切です。 トイレの後や肉・魚を触った後など不衛生な作業をした後は必ず手洗いを行うようにしましょう。 手洗いのやり方については、以下の日本食品衛生協会の手洗いマニュアルを参考にしてください。 手洗いマニュアル|公益社団法人日本食品衛生協会 ポイント②冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つ 菌を増殖させないよう、また、食品の劣化を遅らせるようにするために、冷蔵庫や冷蔵庫の温度は適切に保ちましょう。 菌は、低温菌、中温菌、高温菌の3群に大別されます。 この中で低温菌は最も種類が多く、12~18℃で増殖します。低温菌の中には下痢や嘔吐などの食中毒を引き起こす菌があるので注意しましょう。 また、冷蔵庫内の食品は詰め込み過ぎないようにすることも重要です。冷蔵庫内で冷気が循環しないので、冷気が当たらないところでは温度が上がってしまいます。 食材を入れる目安は約7割です。冷気の吹き出し口にも食材を置かないように注意しましょう。 ポイント③先出しを徹底する 食材を使うときは必ず賞味期限や消費期限の近い方から使うように徹底しましょう。先に使うものを手前に置く、取り出しやすい側にするなど工夫が必要です。 タッパーなどの保存容器に入れている場合は、シールを貼って賞味期限や保存した日を書き込むようにし、誰にでも分かる状態にしておいてください。 ポイント④トイレは常に清潔に 店内の清潔さでお客様が特に気にするポイントとしては、トイレです。いくら店内を清潔にしていてもトイレが汚いと悪い印象になってしまいます。 以前TOTOが行った「飲食店トイレについての意識調査」というアンケートにおいて、トイレがキレイとどのように感じますかという問いに対して、お店のイメージがよくなると答えた人が約8割いました。 出典:飲食店トイレのお客様意識調査トイレはお店の評価にどこまで影響する? 中にはトイレがキレイなのは当たり前という意見もあったほど、トイレに関してはシビアな感覚を持っている人が多いことが伺えます。 トイレは男女別に、そしてにおいがないなどお客様が気にしているところも書かれているので、ぜひ一度内容を確認してください。 ポイント⑤食材の保管は分類して行う 食材を冷蔵庫などに保管する際は肉や魚を分類しておきましょう。 肉や魚には菌が付着しているので、野菜や果物、調理済み食品などの食材とは冷蔵庫を分けて保管するようにしてください。 もし冷蔵庫のスペースがあまりない、冷蔵庫の数が少ないなどの問題がある場合は、保管方法を工夫すれば大丈夫です。 お肉や魚など非加熱でドリップの出る食材は一番下の段に、加熱済みや生のまま提供する食材は一番上の段にするなど、離して保管するようにしましょう。 お客様側になって衛生状態を確認するのも有効 どこからどこまでやればいいのか分からなくなったときは一度お客様の視点になって見てみるといいかもしれません。 例えばまかないをお客様テーブルで食べてみると、さまざまなことに気付きます。 例えばテーブルやイスの汚れ、メニュー表がべとべとしている、調味料の容器が汚れている、テーブルから見えるキッチンがあまりキレイとは言えないなど座ってみないと分からないことがあるでしょう。 また、自分だけでなく、従業員にも同様のことをすると新たな気づきを得られるかもしれません。 衛生管理が大変な時は使い捨て食器に頼ろう これまで紹介してきたように、衛生管理を徹底するのは労力が必要です。特に飲食店は人手不足で悩んでいる傾向があります。 少しでも労力を楽にしたいのであれば、使い捨て食器を使うことをおすすめします。全ての食器をキレイに洗うところから乾燥まできっちり行うのは大変です。 お箸やスプーン、フォークなどを使い捨てに変更するだけでも少し楽になるでしょう。今や使い捨ての食器もオシャレなものも登場しています。 使い捨てに変更できるものはないか、一度確認してみましょう。 衛生管理にゴールはない! 衛生管理はある意味ゴールがないものかもしれません。絶対に大丈夫ということはないからです。 しかし、絶対に大丈夫と言えるくらいまでの努力は必要です。 お客様に安心安全な料理を食べてもらうため、居心地の良い環境で食事を楽しんでもらうためにも衛生管理はきちんと行いましょう。
もっと見る生産農家がECサイトで商品を販売するメリットと活用のポイント
「普段は道の駅などで商品を販売しているけれど、思いきってECサイトの利用にもチャレンジしてみたい!」「ECサイトを活用してみたいが、注意すべきポイントなどはあるのだろうか?」など、商品のインターネット販売に関して悩みや疑問を抱えている生産農家の方も多いのではないでしょうか? そこで今回は「生産農家のECサイト利用」について特集。ECサイトの種類から、活用するメリット、無理なく使うためのポイントなどについて解説しますので、ぜひお読みください。 農産物を販売できるECサイトの種類 「ECサイトを利用した農産物の販売」と言うと難しく感じられますが、簡単に表現すると「インターネットで農産物を売ること」になります。インターネットで農産物を売る場合、企業に対して販売するケースと個人に対して販売するケースが考えられますが、今回は「インターネットで個人に対して農産物を売る」ケースに焦点を当てることにします。個人に対して農産物を販売できるECサイトには大きく分けて次の3つの種類があります。 ・自社ECサイト ・ショッピングモール型ECサイト(産地直送型含む) ・仕入れ型ECサイト それぞれについて詳しく見ていきましょう。 自社ECサイト 売り手が自分で1から構築したショッピング機能を持つサイトのことです。農家の個人サイトなどにショッピング機能がある場合をイメージしていただけると良いでしょう。集客や事務作業をすべて自分たちで行う必要がありますが、その代わり、余計な手数料がかかりません。また、サイトも自由にカスタマイズできます。 ショッピングモール型ECサイト ショッピングモール型ECサイトは、Amazonや楽天市場をイメージすると良いでしょう。ショッピングモールのような巨大なサイトの中に自分のお店を出店する形式です。農産物の場合、ショッピングモール型サイトの派生として、「店舗は構えず、売りたい農産物だけ出品できる」産地直送型サイトも存在します。 ショッピングモール型サイトの最大のメリットは集客を自分で行う必要がないことです。出店したり、農産物を出品しておくだけで、Webサイト内の検索機能を通じて購入者が商品を見てくれます。逆にデメリットは手数料がかかることと、自社ECサイトのようにフレキシブルなカスタマイズが難しいことです。 仕入れ型ECサイト 仕入れ型ECサイトは、サイト運営者が生産者から農産物を納品してもらい、それを消費者に販売する形式です。生産者が消費者と直接やり取りをするわけではないので事務手続きなどの手間がありません。しかし、何をいくつ売るかなどを、生産者が自由に決められないデメリットもあります。 生産農家がECサイトで商品を販売するメリット では、生産農家がECサイトで商品を販売すると、どんなメリットがあるのでしょうか?考えられるメリットは次の4つです。 規格外の農作物を販売できる 1つ目のメリットは、市場では決まりから外れてしまって売れない「規格外」の農作物や、市場に卸せない余った農作物を無駄なく販売できることです。普通の販売方法では利益にならない農作物も、ECサイトを通して消費者に直接販売すれば、収益化が可能です。 全国に販売できる 2つ目のメリットは全国の消費者に向けて販売できることです。道の駅や農産物の直売所で農作物を販売する場合、購入者は地元の方か、もしくは旅行などでその土地を訪れた方に限定されます。しかし、ECサイトを使えば、全国どこに住んでいる方とでも簡単に繋がることが可能です。人の行き来が少ない地域などで農作物を作っている生産農家の方にとって、これは大きなチャンスとなります。 24時間いつでも販売できる 3つ目のメリットは24時間いつでも農作物の販売が可能なことです。店舗などで販売する場合、どうしても店舗の営業時間にしばられます。しかし、ECサイトは24時間営業。夜間であっても、自動で商品を販売してくれる優れたツールなのです。 商品に関する生の声を受け取りやすい 4つ目のメリットは、消費者から商品に関する生の声を受け取りやすいことです。自社ECサイトやショッピングモール型ECサイトでは、流通市場に商品を卸すより購入者との距離が近いため、口コミの書き込みなどを通じて味や品質に関する感想をダイレクトにもらいやすいのです。消費者の生の声は、次の商品を販売する際、大きなヒントになると言えるでしょう。 生産農家がECサイトで商品を販売するデメリット もちろん、生産農家がECサイトで商品を販売することには、メリットばかりではなく問題点もあります。 最も大きなデメリットは普段の農作業以外の仕事が増えることです。受注した商品の梱包や発送から始まり、Webサイトの更新や集客、購入したお客様からのクレーム対応まで、やらなくてはならないことは山積みです。ECサイトでの販売を行うために新しい従業員を雇ったら、逆に売上がマイナスになってしまった……というケースもあります。 ECサイトを活用する上でなるべくデメリットを回避するためには、次項で紹介するポイントに気をつける必要があります。 生産農家がECサイトで商品を販売する上で気をつけるべきこと 起こる可能性のあるデメリットをなるべく回避し、ECサイトを有効に活用するためには次の2つのポイントに気をつけましょう。 スモールスタートを心がける 1つ目のポイントはスモールスタートを心がけることです。はじめから大きな規模でECサイトでの販売を手掛けてしまうと、事務作業などの要領が掴めず苦労します。また、自社ECサイトを専門の業者に作ってもらうためには多額の費用がかかりますし、ショッピングモール型のECサイトを活用する場合は手数料も考えなければいけません。 1、2品から始められる産地直送型のサイトや簡単なフリーマーケット用のアプリを使ってお試し販売をはじめ、徐々に規模を拡大していくようにしましょう。はじめのうちは試行錯誤することも多いはずですが、扱う商品数が少なければ改善も容易です。短期間では利益が出にくいかもしれませんが、長い目で見ればしっかり利益を出すための土台作りになります。収益化を焦り過ぎないようにしましょう。 集客を意識する ショッピングモール型のECサイトでははじめからある程度の集客が見込めますが、もちろん自分たちでも積極的に宣伝していく必要があります。現在はSNS社会ですので、TwitterやInstagram、TikTokなど、SNSをどんどん活用しましょう。フォロワー数が増えるにはある程度の時間がかかります。諦めず、継続的にPR活動を行いましょう。 SNSは消費者とダイレクトにやり取りできる点も魅力です。ファンになってくれる消費者が増えれば、口コミで商品の情報が拡散されます。また、商品の魅力や改善点を聞くこともできます。 ポイントを押さえてECサイトの積極的活用を 今回は「生産農家のECサイト活用」について取り上げました。規格外の農作物が収益化できたり、全国の消費者と簡単に繋がれたり、生産農家がECサイトを活用することには大きなメリットがあります。事務作業や顧客対応が増えるなどの問題点もありますが、スモールスタートを心がけることで改善点も見つけやすくなりますので、ぜひ積極的に活用し、売上アップを目指しましょう。
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