August 25, 2022

SDGsの目標、『海の豊かさを守ろう』と『陸の豊かさも守ろう』について詳しく解説!

 

商品や企業理念、生活スタイルなどさまざまな部分で掲げられるSDGs。

SDGsは、これから育っていく世代のために地球環境を守り続けることを目標に作られました。

SDGsについては以前の投稿でまとめていますので、そちらを参照ください。

SDGsについて

今回はSDGsの17の目標のなかにある14番目の目標「海の豊かさを守ろう」と15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」について深掘りして解説していきます。

陸や海には私たちが日々生活していく中で欠かせないものがたくさん存在しています。しかし、その自然が危機的な状況を迎えていることをご存じですか?

現在陸や海で何が起きているのか?どんな問題があるのかを知っていきましょう!

ざっくりとSDGsについて解説

本題に入る前にSDGsについて簡単に解説をしましょう。詳しくは以前の投稿を見ていただければと思いますが、忙しくて見てられないという人に向けて簡単にまとめます。


SDGsとは、持続可能な開発目標という意味があります。これから生まれてくる世代の子が安心して生活できる地球環境を持続できるように、今起きている問題を解決していきましょうというものです。


この問題というのは環境や貧困、人権などといったもので、それらを2030年までに解決しようという目標がたてられています。

目標は17種類に分けられており、それぞれの項目で具体的な目標と目標を達成するための方法が設けられています。

海の豊かさを守ろうとは?

海の豊かさを守ろうという項目には、7つの目標とそれらを達成するための3つの方法が設けられています。

具体的な内容を表にまとめました。

※ハイフンに続く数字が目標、アルファベットが方法になります。

  14-1

2025年までに、海洋ごみや富栄養化など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす

 

 14-2

 2020年までに、海と沿岸の生態系に重大な悪い影響がでないように、回復力を高めることなどによって、持続的な管理や保護をおこなう。健全で生産的な海を実現できるように、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。

 

14-3

 あらゆるレベルでの科学的な協力をすすめるなどして、海洋酸性化の影響が最小限になるようにし、対策をとる。

 14-4

 魚介類など水産資源を、種ごとの特徴を考えながら、少なくともその種の全体の数を減らさずに漁ができる最大のレベルにまで、できるだけ早く回復できるようにする。そのために、2020年までに、魚をとる量を効果的に制限し、魚のとりすぎ、法に反した漁業や破壊的な漁業などをなくし、科学的な管理計画を実施する。

 14-5

 国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全する。

 

14-6

 2020年までに、必要以上の量の魚をとる能力や、魚のとりすぎを助長するような漁業への補助金を禁止し、法に反した、または報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金をなくし、そのような補助金を新たに作らないようにする。その際、開発途上国やもっとも開発が遅れている国ぐにに対する適切で効果的な、特別な先進国と異なる扱いが、世界貿易機関(WTO)の漁業補助金についての交渉の重要な点であることを認識する。

 

14-7

 漁業や水産物の養殖、観光を持続的に管理できるようにし、2030年までに、開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにが、海洋資源を持続的に利用することで、より大きな経済的利益を得られるようにする。

 

14-a

より健全な海をつくり、開発途上国、特に開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国々において、海洋生物の多様性がその国の開発により貢献できるように、ユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを考えに入れながら、科学的知識を増やしたり、研究能力を向上させたり、海洋技術が開発途上国で使えるようにしたりする。

 

14-b

 小規模で漁業をおこなう漁師たちが、海洋資源や市場を利用できるようにする。

 

14-c

 「私たちが望む未来」※で言及されたように、海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法(国連海洋法条約)を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。

 

引用元:ユニセフSDGs CLUB

「海の豊かさを守ろう」ができた背景

この海の豊かさを守ろうという目標ができた理由は下記のような問題が発生しているからです。

  • ゴミが増えている
  • 汚染が進んでいる
  • 資源が減っている

どういったことか詳しく解説していきましょう。

①ゴミが増えている

人間が生活する中で出るゴミが海に流れています。特に問題となっているものがプラスチックゴミです。

ビニール袋やペットボトルなどが海に流れていき、生態系に大きな影響を与えています。ビニール袋を飲み込んでしまい窒息したウミガメをテレビなどで見たことがあるのではないでしょうか?

漁業や釣りに使う網や釣り糸、仕掛けなどが生物に絡まり、傷ついたり、命を落とす原因になったりしています。

こうしたプラスチックゴミは1億5000万トン以上、海に流れており、現在も毎年800万トン以上増えていると言われています。

更に問題とされていることが、プラスチックゴミは紫外線によって劣化することで細かくなり、マイクロプラスチックと呼ばれるものになることです。

マイクロプラスチック問題はさまざまありますが、1つの問題には、魚がエサと一緒に誤って食べてしまい、その魚を人間が食べることで、健康に影響を与えるかもしれないという報告があげられています。

②汚染が進んでいる

海の汚れはゴミだけではありません。船やタンカーから漏れる重油や家庭や工場から出る汚水、農業で使う農薬などから汚染が進んでいます。

また、海は大気中の二酸化炭素を吸収する役割を担っています。しかし、現在海洋酸性化という大気中の二酸化炭素を取り込みすぎて海が酸性化する現象が起きています。

酸性化が進むと貝類は貝殻を形成できない、サンゴは骨格を形成できないなどの問題が起きてしまいます。さらに吸収できる二酸化炭素が減り、温暖化が進むとも言われています。

③資源が減っている

海洋生物が年々減っているという問題が発生しています。減少している原因は海洋汚染だけではなく、乱獲によることも挙げられます。

世界に住む人々の食生活が野菜中心から魚や肉類に変わってきたことや流通システムが発展したことなどで漁獲量が増えています。

水産庁によると、持続可能なレベルで漁獲されている状態の資源の割合が次第に減ってきているそうです。これは魚の取り過ぎで個体数が増えるよりも減る方が多く、絶滅の危機に瀕するものがあるということになります。

そのため、今は漁獲量を管理することで生態系を守り、漁業で生計を立てている人を守る精度が設けられています。

陸の豊かさも守ろうとは

陸の豊かさも守ろうという項目は、9つの目標と、それらを達成するための3つの方法が設けられています。

具体的な内容を表にまとめました。

※ハイフンに続く数字は目標、アルファベットは方法になります。

15-1

2020年までに国際的な協定にしたがって、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、および、それらがもたらす自然の恵みを、守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。


15-2

2020年までに、あらゆる種類の森林の、持続可能な形の管理をすすめ、森林の減少をくいとめる。また、おとろえてしまった森林を回復させ、世界全体で植林を大きく増やす。


15-3

2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させ、これ以上土地をおとろえさせない世界になるように努力する。


15-4

2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。


15-5

自然の生息地がおとろえることをおさえ、生物の多様性が損なわれないようにし、2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐため、緊急に対策をとる。


15-6

国際的に決められたとおり、遺伝資源を使って得る利益が公正で公平に分けられるようにする。また、遺伝資源を適切に使うことができるようにする。


15-7

保護しなければならない動植物の密猟や、法律に反した取り引きをなくすために、緊急の対策をとる。法律に反する野生生物の製品が求められたり、売られたりすることがないようにする。


15-8

2020年までに、移動先に定着する外来種の侵入を防ぐとともに、外来種が陸や海の生態系に与える影響を大きく減らすための対策をはじめる。特に優先度の高い外来種は駆除する。


15-9

2020年までに、生態系や生物の多様性を守ることの大切さを、国や地方による計画や開発のプロセス、貧困をなくすための取り組みやお金の使い方に組み入れて考えられるようにする。


15-a

生物の多様性や生態系を守ること、それらを持続可能な形で利用していけるようにするために、あらゆるところから資金を集め、より多くのお金が使えるようにする。


15-b

森林の保護や再植林をふくめて、持続可能な森林の管理を進めるために、あらゆるところからお金を集め、開発途上国が持続可能な森林の管理を進めようと思えるように十分な資金が使えるようにする。


15-c

持続可能な形で収入を得られるように、コミュニティの能力を高めるなどの取り組みを進め、保護しなければならない動植物の密猟や法律に反した野生生物の取り引きをやめさせるために、国際的な支援を強化する。

引用元:ユニセフSDGs CLUB

「陸の豊かさも守ろう」ができた背景

現在世界の陸地の約3分の1(約40億ヘクタール)は森林です。しかし、1年前はこの1.5倍の60億ヘクタールあったと言われており、今も1年あたり約1,300万ヘクタール減っています。1,300万ヘクタールというのは東京都の約59倍です。

この森林減少によってさまざまな問題に繋がっています。代表的なものとしては下記の3つになります。

・砂漠化

・陸上生態系の崩壊

・気候変動

それぞれ詳しく解説していきましょう。

①砂漠化

砂漠化とは、もともと森林といった緑があった場所が砂地化し、植物が育ちにくい環境になることです。

砂漠化が進むことで生物の多様性が失われること、作物が育たないことで食糧危機に陥る恐れが出ます。

砂漠化による大きな問題としては、作物で生活を行う人の生活基盤がなくなることです。こうなってしまった人々は、仕事や援助を求めて都市部へ移動します。しかし、仕事が上手く見つかることはあまりなく、そのまま難民となってしまいます。これが難民問題で、今後も難民は増加すると予想されています。

難民問題は民族紛争を引き起こすなどいった原因になり、多くの命を落とすことに繋がってしまうのです。

②陸上生態系の崩壊

森林減少によって生態系にも大きな影響を与えています。現在1年間で約40,000種類もの生物が絶滅していることをご存じでしたか?

現在確認されている生物の種類は約211万種、この中の30%近くが今絶滅の危機に瀕しているのです。

生物が絶滅することで問題となるのが生態系のバランスが崩れるといったことです。生物は食物連鎖によって上手くバランスをとって生きています。そのため、1種類の生物がなくなることで、それを必要としている種が絶滅する危険が生まれてしまいます。

こういった負の連鎖が起きることで、絶滅する生物の減少がとまらなくなるのです。

生態系が崩れることは人間にも影響を与えます。例えば薬、海の生物からとるエキスが抗がん剤に使われたり、植物から取れるエキスが薬草に使われたりしています。

病気で苦しむ人が助けられなくなる可能性が出てくることに繋がるのです。

③気候変動

地球温暖化はよく聞く言葉ですが、温暖化は気候変動の中の1つです。温暖化が進む要因として、森林の減少があります。世界中にある森林が光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出しています。つまり、森林がなくなることで二酸化炭素の吸収量が減り、温暖化が進むのです。

二酸化炭素の吸収量が減ることで問題となるのは温暖化だけではありません。大気中に二酸化炭素が溜まることでエルニーニョ現象やラニーニャ現象が引き起こされます。

この現象によって、日本では台風が発生する回数が増える、または超大型台風になり、大災害を起こすことに繋がります。

この自然災害で川の氾濫がおき、家の浸水が起きる、野菜が作れなくなる、工場の機械が壊れるなど、さまざまな問題が起きていることはご存じかと思います。

まとめ

海の問題や陸の問題で共通していることは、1つの問題だけをみると、大きな問題とは感じにくいということです。

しかし、1つの問題で10の問題、100の問題にまで発展していく恐れがあるということが分かったかと思います。

私たちは自然の恵みを受けて生きています。自分だけでなく、自分たちの子どもが安心して生活していけるように、今何ができるか考えながら生活するようにしていくことがSDGsを達成するためにも重要であると思います。


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