June 13, 2023

料理の見た目を美しく演出するテクニック4選!盛り付け方法を調理スタッフ全員で共有する方法も

お客様にとって料理の味と同じくらい大切なのが「料理の見た目」です。見た目の美しい料理は、それだけで注文してもらえる確率が高まります。そこで今回は「料理の見た目を美しく演出するテクニック」について特集。料理の見た目が重要な理由や、盛り付け方法を調理スタッフ全員で共有する方法についても紹介します!


料理の見た目が重要なのはなぜ?


料理において味の良さが大切なのは言うまでもありません。しかし、次のような理由から、料理の見た目も味と同じくらい重要だと考えられています。


・見た目は料理の第一印象に関わる

・調理スタッフの技術力をアピールできる


それぞれについて具体的に考えていきましょう。


見た目は料理の第一印象に関わる


「料理は舌で味わうもの」と思われがちですが、実のところ、人間は視覚や嗅覚、聴覚など、五感すべてを使って「おいしさ」を味わっています。たとえば、洋食店でステーキを注文した際、厨房からジュージューとお肉の焼ける音が聞こえてくると、まだ食べていなくても「早く食べたい!」「おいしそう!」と感じますよね。仕事帰りに、ラーメン店から漂ってくるスープの香りで、お腹が鳴ったことがある方も多いのではないでしょうか?


これらは聴覚や嗅覚の例ですが、視覚も同じ。テーブルに料理が運ばれてきた瞬間の視覚情報から、すでにお客様の「おいしい」は始まっているのです。逆に料理の見た目が美しさに欠けると、食べていなくてもマイナス感情に繋がります。


特に最近はSNSの活用が一般的なため、料理の見た目はお客様の撮った写真を通じて多くの方にシェアされます。それだけに見た目は料理の第一印象を左右する大切な要因となるのです。


調理スタッフの技術力をアピールできる


料理の見た目の美しさはその店の調理スタッフの技術力をアピールする材料にもなります。自宅で食べる家庭料理にもおいしいものはたくさんありますが、美しい盛り付けをするのは、お客様に提供する料理を作る訓練を積んでいないとなかなか難しいことです。メニューすべての料理が美しく盛り付けられている飲食店は、食べる前からお客様に「このお店はレベルが高い!」と感じてもらうことができます。


また、高い技術力で美しく盛り付けられた料理は、お客様に「特別なものを食べた」「贅沢で非日常感のある食事を楽しめた」という満足感も味わってもらえます。

 


料理の見た目を美しく演出するテクニック4選


料理の見た目を美しく演出する基本的なテクニックは以下の4つです。


・料理の彩りに配慮する

・高さを意識する

・余白をコントロールする

・食器に意外性をもたせる


それぞれについて具体的に紹介します。


料理の彩りに配慮する


「色」は視覚情報の中でも非常に重要な要素です。料理を盛り付ける際にも、必ず色合いに配慮しましょう。具体的には信号と同じ「赤・黄・緑」が1皿(もしくは1セット)に入っているとバランス良く感じられます。


和食の世界ではこの3色に「白・黒」を加えた5色が盛り付けのベースカラーとされていますので、こちらを参考にしても良いでしょう。すべての色を料理でカバーするのが難しい場合は、食器の力を借りるのもおすすめです。足りない色を食器で補うことでカラフルな見た目を演出できます。


高さを意識する


料理に高さを出すと、立体的でおしゃれな印象になります。円錐形をイメージし、下は広めに、上に行くほど狭めに盛り付けるとより美しくなります。パスタなどの麺類は横に広がりやすいため、まとめてお皿に盛るのではなく何度かに分けて少しずつ重ねると良いでしょう。


盛り付けた1番上の部分にアクセントとなる飾りつけをすると、お客様の目線をそこに誘導できるので、より立体感を味わってもらいやすくなります。


余白をコントロールする


料理を盛り付けた際、食器にできる「余白」も美しさの重要なポイントです。一般的に、余白が多ければ高級に、余白が少なければ豪快に見えると考えられています。そのため、同じ量の料理でも、やや小さめのお皿を使って余白なしで盛り付ければ「ボリューミー!」「食べごたえがありそう!」という印象を持ってもらうことができますし、大き目のお皿を使って余白に飾りつけをすれば「お洒落でハイセンス!」だと感じてもらえます。


若い方やファミリーのお客様が多い場合は余白を少なめに、カップルや記念日利用のお客様が多い場合は余白を多めになど、お店のイメージや客層に合わせてコントロールしてみましょう。


食器に意外性をもたせる


やや応用的なテクニックになりますが、料理を盛り付ける食器に意外性をもたせることで、料理をおしゃれに見せることもできます。例えば、本来なら食材を切るために使う木製のカッティングボードを食器として活用している飲食店は、最近増えていますよね。料理をそのまま盛り付けても良いですし、カッティングボードの上にカラフルな小皿を並べて可愛らしくデザインするのもおすすめです。


小さなレンゲに似たアミューズスプーンに一口サイズの料理を並べるのもおしゃれです。前菜だけでなくケーキなど、デザートの盛り付けにも利用できますよ。


美しい盛り付けを調理スタッフ全員で共有する方法


美しい盛り付けを考案できても、それを調理スタッフ全員で共有できなければ「作った人によって見た目が全然違う」ということになりかねません。調理経験の浅いアルバイトスタッフがいる場合は、より配慮が必要です。盛り付けの方法を調理スタッフ全員で共有する工夫としては、次の2つが挙げられます。


・仕上がりの写真を共有する

・数字や配置場所を具体的に提示する


それぞれについて具体的に考えていきましょう。


仕上がりの写真を共有する


仕上がりの写真を撮り、それを厨房の壁などに貼ってスタッフ全員で共有するのは簡単かつ効果的な方法です。その際、飾りつけを忘れやすいポイントなどがあれば、写真に直接書きこむことで注意喚起も促せます。


数字や配置場所を具体的に提示する


また、具体的な数字や配置場所を具体的に提示するのもおすすめです。「〇〇は△個」など、写真やイラストに個数を書きこんだり、「〇〇は時計の3時の位置に置く」など配置場所を言語化しておきましょう。スタッフ間でのズレが生じにくくなりますよ。


勝負はメニューの写真から始まっている

 


最後に。「見た目の美しさ」はWebサイトなどに掲載するメニュー写真からすでに勝負が始まっています。料理を美しく撮るためには熟練の撮影技術が必要です。可能であれば、メニューに使う写真はプロに撮影を依頼しましょう。


メニューを見た瞬間、「おいしそう!」と思ってもらえるかどうかは大変重要です。実物と同じくらい写真にもこだわりましょう。


基本を守って美しい見た目の料理を


今回は料理の見た目を美しく演出するテクニックを紹介しました。料理は五感すべてを使って味わうものです。その中でも料理の第一印象を大きく左右する見た目にはしっかりこだわりましょう。「料理の彩りに配慮する」「高さを意識して盛り付ける」「余白をコントロールする」など、盛り付けの基本を意識するだけ見た目はぐっと美しくなります。スタッフ皆で共有できそうなところから、少しずつはじめてみてはいかがでしょうか?

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