最近はお取り寄せも熱い!コロナ禍でも好調をキープし続ける焼肉市場の人気の理由を詳しく解説します。
タイトル:最近はお取り寄せも熱い!コロナ禍でも好調をキープし続ける焼肉市場の人気の理由を詳しく解説します。
焼肉の市場はコロナ禍でも好調であったことをご存じですか?
外食産業が落ち込む中、新規参入もあった焼肉市場。
今回は焼肉市場の動向やコロナ禍で好調の理由、これまでの歴史、お取り寄せ事情などを詳しく解説しています。
焼肉市場の人気の秘訣を探っていきましょう。
拡大し続ける焼肉市場の理由とは?
コロナ以前は景気の向上を受けて外食産業全体が伸びておりました。その中でも特に焼肉店の売上は拡大の一途をたどっていました。
どれくらい伸びていたのか、2013年から2021年までの前年比の売上データを下記にまとめています。
2013年 |
2014年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
|
外食産業 |
100.7% |
99.8% |
100.1% |
102.8% |
103.1% |
102.3% |
101.9% |
84.9% |
98.6% |
焼肉 |
112.5% |
108.4% |
108.7% |
103.9% |
107.8% |
105.6% |
104.7% |
89.1% |
90.8% |
参考元:一般社団法人日本フード協会
上記のように焼肉市場は2019年まで年々売上を伸ばしています。2019年の焼肉の市場規模は、店舗数約2万2,000軒、年商約1兆2,000億円とも推計されています。
焼肉市場が盛り上がっている要因としては、糖質制限ダイエットや筋肉向上を目的とした時に赤身肉が体にいいと情報がメディアなどを通じて報道されたこと、それによって肉ブームが訪れていたことが理由の1つとして挙げられます。
また、若者層だけでなく高齢者も肉食を好むようになってきたことも一因となっています。
コロナ禍でも焼肉が人気の理由
上記の表のようにコロナ禍の2020年、2021年は少し落ち込みましたが、居酒屋やビアホールは前年比が50%台であったので、比較的好調であったといえるでしょう。
焼肉の売上が大きく減少しなかった主な理由は2つあります。
- 換気性が高い
- 焼肉は来店目的性が高い
それぞれどういったことなのか詳しく解説していきましょう。
換気性が高い
多くの焼肉店では全テーブルにロースターと呼ばれる換気扇がついています。焼く時に出る煙を吸うことが目的ですが、同時に店全体の換気性を高めることができました。
これによって感染リスクが抑えられているということで、焼肉を食べに行こうという人が増えたのです。
来店目的性が高い
焼肉といえばごちそう、特別感のある食事というイメージがありませんか?「家族との食事の時」、「合格や就職などのお祝い」、「頑張ったときのご褒美」などといった何か目的があるときに焼肉が選ばれる傾向があります。
焼肉は家では得ることのできない、特別感を味わえることもあり、安心して食事できる焼肉屋に足を運ぶ方が多いのが好調の理由の1つでしょう。
焼肉市場の歴史
焼肉市場は年々売上を上げており、コロナ禍でも他の飲食店と比べると比較的好調を保っています。その背景もあって、新規参入が増えてきており、競争が激しくなっています。その中で生き残っていくためには変化が求められます。
現在のトレンドやこれまでの時代とともに焼肉市場がどのように変化していったのか解説していきましょう。
焼肉のルーツはホルモン焼き
庶民に食肉文化が広がったのは明治時代です。その頃は牛鍋という今でいうすき焼きのようなものが始まりでした。太平洋戦争が起き、戦後に牛や豚の肉が禁制品となったときにヤミ市で牛や豚の内臓を焼いて食べるお店が登場しました。
それが焼肉のルーツであるホルモン焼きです。このあと、ホルモンだけでなくカルビやロースといった赤身肉も食べられるようになり、今の焼肉が一般的に広がっていきました。
食べ放題チェーンの誕生
今となっては当たり前にある食べ放題の焼肉店ですが、急増したのは1991年の牛肉の輸入自由化がきっかけと言われています。
安価な牛肉が大量に入ってきたことにより、新規チェーンの参入が相次ぎました。
食べ放題のお店が全国に広まったことで、これまでごちそうのイメージであった焼肉が若者層でも容易に食べられるようになり、焼肉市場は一気に成長していきます。
BSE問題による焼肉市場低迷
2001年にBSE(狂牛病)騒動によって大手チェーン店では売上が前年比の50%前後まで落ち込みました。その後、小売りのお肉まで個体識別番号を流通させる法案が提出され、トレサビリティ(追跡可能性)の仕組みづくりが行われました。これによって焼肉市場は回復し、その後成長していきました。
和牛ブーム
和牛自体は昔から販売されていましたが、今ほど人気はありませんでした。
和牛が広がっていったのは、牛肉の輸入自由化に対抗するため、質の高い和牛を提供することで差別化をはかる策をとったこと。この高級路線をとったことや景気の向上、高品質を求める層が増えてきたことなどによって和牛を提供する焼肉店が人気を集めるようになりました。
A5ランクのお肉や希少部位の提供、牛を一頭買いすることによるリーズナブルな価格などさまざまな工夫を凝らす店舗が多く見受けられました。
焼き肉×〇〇の誕生
焼肉市場は競争が激しく、近年では時代の変化に合わせた新しい形態の焼肉が誕生しています。
例えば焼肉とフレンチを合わせたフレンチ焼肉という新しいコンセプトのお店。こちらでは焼肉のほか、フォアグラを提供したり、サイドメニューにフランス料理を取り入れたりしています。店内ではプロジェクションマッピングで華やかな映像が流れるなど、非日常感を演出しています。
また、回転すしと焼肉を合わせたお店では、商品をタッチパネルで注文し、レーンでお肉が提供されるという、非接触型のサービスを行っています。
最近ではこのようなエンターテインメントを取り入れた店舗が注目を集めています。
今お取り寄せ焼肉が熱い!
変化や成長を続ける焼肉市場ですが、最近ではお取り寄せ焼肉も熱いです。
総務省の家計調査年報という「1世帯当たりの商品カテゴリー別の消費金額」を示す指標があります。
この中で「インターネットを利用した1世帯当たり支出金額」で「食料品」のカテゴリー結果は以下の通りです。
年度 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
金額(前年比) |
1,227円 |
1,411円(115%) |
2,181円(155%) |
この中には焼肉以外も含まれますが、ネット通販全体として大きく伸びており、その市場規模は12兆円とも言われております。
その中で今お取り寄せ焼肉が人気を集めている要因の理由は主に下記の3つです。
- 家でお店の味を楽しめる
- 特別な日に最適
- ギフトにしやすい
それぞれ解説していきましょう。
家でお店の味を楽しめる
過去に家で焼肉をした際に、「お店と全然違う」、「クオリティが低い」と感じたことはありませんか?
炭火でないことやホットプレートで焼いているなどといった原因もありますが、スーパーで買ったお肉がそもそも焼肉屋と全然違うことも大きな原因です。
焼肉屋ではブランド牛や品質の高いお肉を扱っているため満足度が高いのですが、スーパーのお肉ではどうしても焼肉屋と比べると質が落ちてしまいます。
しかし、お取り寄せでは人気のブランド牛や高級部位といった焼肉屋で食べられるものと同じものが販売されています。
高品質で安全なものが手軽に手に入るため、お取り寄せが人気を集めるようになりました。
特別な日に最適
上記でも焼肉は特別な時に選ばれると解説しました。お取り寄せのお肉も同じように、誕生日や合格祝い、記念日などといった特別な日に購入するにはピッタリです。
また、お盆や年末年始といった大人数が集まる際に焼肉をする家族が多くいます。普段会えない親族や友人と楽しく過ごすために、美味しいお肉を購入できるお取り寄せのお肉が選ばれています。
ギフトにしやすい
高級なお肉は、誰かにプレゼントするものとしても人気です。お中元やお歳暮の際に何を送ったらいいかわからないと悩んだ経験があるのではないでしょうか?
食べ物は人それぞれ好みがあるため、その人に合うものを選ぶのはなかなか難しいものです。
しかし、焼肉は苦手とする人は少なく、むしろ喜ばれやすいでしょう。
価格も高めなので、特別感も出やすいので、お取り寄せで選ぶ方が増えています。
今後の焼肉市場はコンセプトがあるお店が強い!
現在焼肉市場はコスパ重視のお店と高級なお店の二極化が進んでいます。これによってお客様側だけでなく、お店側もお客様を選びやすいといったメリットが生まれています。
ターゲットを絞り込むことで、それに特化したサービスを提供しやすくなるので、結果的にお客様満足度は上がるでしょう。
今後もターゲットを絞った、コンセプトがはっきりしている焼肉屋が人気を集めるのではないかと予想されます。