地球環境に優しい資源バイオマスってなに?種類や活用方法、バイオマスプラスチックについても紹介します!

バイオマスという言葉をどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
でもどういう意味なのか、それがどんなものかまでは知らないのではないですか?
昨今テレビや雑誌など、さまざまなメディアで環境問題について目にする機会が多いと思います。
バイオマスとは、地球環境のために生まれた資源です。
今回はバイオマスの種類や活用方法などについて詳しく解説しています。
さらにバイオマスから派生して生まれたバイオマスプラスチックについても紹介しています。
地球に優しい新しい資源について知っていきましょう!
バイオマスとは??

バイオマスを一言でいうと、動物や植物など自然由来のものから生まれた資源のこと。
バイオマスとは「バイオ(bio)=生物」と「マス(mass)=まとまった量」を掛け合わせた造語です。石油や石炭といった化石資源を取り除いた有機性資源といったもので、例えば木くずやふん尿、草など身近にあるものがほとんどです。
バイオマスの種類
バイオマスは主に下記の3つに分類されています。
・「廃棄物系資源」
・「未利用資源」
・「資源作物」
具体的な内容について、それぞれ解説していきましょう。
廃棄物系資源
廃棄物系資源とは、ゴミなどのいわゆる廃棄物をもとにして作られた資源を言います。
廃棄物系資源の代表的なものは、「食品廃棄物(生ごみなど)」、「家畜ふん尿」、「下水汚泥」、「紙(古紙など)」、「木質系廃棄物(木くずなど)」の5つです。
これまで廃棄物は使い道がないために、そのほとんどが焼却されたり、埋め立てられたりしていました。
これらを有効活用し、また新たな資源を作り出しています。
未利用資源
未利用資源とは、資源そのものは存在しているが、活用されずにそのまま放置されてしまっているものを指します。
未利用資源は主に「農業系残渣(稲わらやもみがらなど)」、「林業系残材(間伐材など)の2つです。
稲わらやもみ殻、間伐材など利用価値はあるものの運搬に大きな手間がかかるため、放置されているのです。
資源作物
資源作物とは、農林水産省の農林水産関係用語集によると「エネルギー源や製品材料とすることを主目的に栽培される植物」と定義されています。
例えばトウモロコシやサトウキビ、ナタネなどの農作物やヤナギやポプラといった樹木があります。
なぜ今バイオマスが注目を浴びているの?

今バイオマスが注目を集めているのは主に2つの理由があるからです。
再生可能な資源である
1つ目はバイオマスの元となるものが動物や植物といった再生可能な資源であるため、持続的に使うことができる点です。
石油や石炭ももともとは自然由来のものですが、作られるまでに途方もない時間が必要です。そのため、持続的な利用はできません。
カーボンニュートラルである
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。
バイオマスを燃やした際に二酸化炭素が発生しますが、これはバイオマスができる過程において、例えば植物であれば光合成して酸素を生み出しているため、燃やして生まれた二酸化炭素は大気中に戻ったと考えることができます。
バイオマスはどんな風に活用できる?

バイオマスの元となる資源は、これまで焼却処分や埋め立て、もしくは放置されている状態でほとんどが活用されていませんでした。
しかし、地球環境の深刻化やSDGsの浸透とともにそれらの活用方法がいろいろ協議されてきました。
現在生み出された活用方法は多種多様にあるため、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
飼料化
生ごみや稲わらといった廃棄物を加工し、家畜の飼料にしています。生ごみは水分や油分を多く含むため、乾燥や油脂分を調整し、そのあと粒状の飼料に加工しています。
また、食品廃棄物と水を混ぜた液体飼料の開発にも成功しています。
堆肥化
生ごみや農業残渣を利用して堆肥を作っています。家庭にもあるコンポストを巨大かつ機械化したもので、微生物に生ごみを分解してもらい、土壌の改良に役立つ堆肥に変換しています。
生ごみ以外にもふん尿を使った堆肥も作られています。
エネルギー化
間伐材や稲わらを加工し、木質固形燃料にするほか、生ごみを加工し、車のバイオディーゼルにするなどエネルギー資源へと転換しています。
実際に電力会社では固形燃料を使った発電を行っています。固形燃料を燃やして蒸気を発生させ、タービンを回し、電力を発生させています。これは火力発電と同じ要領ですが、化石燃料ではなく、バイオマスを使うことで二酸化炭素の排出量を減らす大きな意味があります。
地球環境に優しい新たなプラスチック「バイオマスプラスチック」とは

最近上記で紹介した活用方法以外にもバイオマスプラスチックという、環境に優しいプラスチック製品が開発されました。
バイオマスプラスチックとは、従来の石油燃料由来のプラスチックではなく、バイオマス(自然由来の素材)を使ったプラスチックです。
バイオマスプラスチックはバイオプラスチックの一つで、もう一つに生分解性プラスチック(微生物の働きで最終的に二酸化炭素と水に分解するもの)というものがあります。
バイオマスプラスチックは何から作られている?
バイオプラスチックは、トウモロコシやサトウキビなどの植物や廃油などが原料となります。
主な製法として「発酵法」と「化学合成法」の2つあります。
発酵法とは、サトウキビやトウモロコシの糖分や油分を発酵させて作ったエタノールから樹脂を合成する製法のこと。
化学合成法とは、糖や油脂から樹脂を化学合成する製法のことです。家庭やレストランから出る廃油やトール油(製紙の工程で出る副産物)から作られています。
バイオマスプラスチックはどんな製品に使われているの?
バイオマスプラスチックを使った製品は多種多様にあります。
例えばレジ袋やゴミ袋にバイオマスプラスチックが使われています。他には食品包装にも使われています。2019年にはセブンイレブンがおにぎりの包装にバイオマスプラスチックを配合したものを使用すると発表し話題となりました。
さらにお弁当などの食品容器や衣料繊維、電気・情報機器やOA機器などにも使用されています。
バイオマスプラスチックはリサイクルが可能
バイオマスプラスチックは地球環境に優しいだけでなく、使用後にリサイクルできるという大きな魅力があります。
熱や圧力を加え、形を変えることでまた新たな商品にできます。これを何回も繰り返すことができれば、廃棄物が減り、新たに環境に優しい商品ができるという循環が生まれます。
世界各国では環境問題に対する意識が高いこともあり、使い捨てのプラスチックを規制するようになっています。日本でも同じようにこの流れに乗って、今後バイオマスプラスチックを活用していくことになっていくでしょう。
バイオマスを使って地球環境改善に貢献していこう

まだまだ認知度、普及度ともに低いバイオマスですが、SDGsや世界が環境問題に対して高い意識を持っていることを考えると、今後さらにバイオマスが活躍するところは増えていくでしょう。
普段から地球環境のために何かしないと!と考えると気が重くなりますが、身近で簡単なところから始めることができます。
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