今話題のドギーバッグってなに?導入するメリットやおすすめの容器を紹介!
今世界的に問題となっている食品ロス。廃棄する過程で排出される二酸化炭素問題や、将来的に起きるとされる食料危機といった問題のために早急に対策が必要とされています。
その1つの対策として登場したものがドギーバッグです。
今回はドギーバッグがどういったものか、なぜ今注目を集めているのか、導入することでどういったメリットがあるかなどを解説しています。
飲食店で働いている方やSDGsや環境問題に対して興味のある方はぜひ最後まで読み進めてください!
ドギーバックとは?
ドギーバックとは、飲食店で食事をした際に出てしまった食べ残しを持ち帰るための容器や袋のことを言います。
もともとは持ち帰った食品を犬に食べさせるという名目で作られました。ドギーバックを英語にすると、「doggie bag」と書きます。これを直訳すると犬のための容器という意味になります。
実際のところは人間が食べるのですが、万が一食中毒が起きた際に店側は責任を取らない、あくまでお客側の自己責任のもとで持ち帰るということでこの名前がついたとされています。
なぜ今ドギーバッグが注目されているの?
ドギーバッグは日本だけでなく、世界的にも注目を集めています。なぜならSDGsと関連しているからです。
SDGsの中には、食品ロスを削減しようという目標があります。廃棄食品が増えることでCO2の排出量も増えることや、燃焼させるために燃料がいるなど、環境に負荷がかかってしまう問題があるためです。
ドギーバッグには、食べ残しがもったいないということだけではなく、環境にも良くないという意識を作り手だけではなく、消費者にも向けてもらいたい、そんな願いがこめられています。
ドギーバッグを使用するメリット
ドギーバックを利用することで得られるメリットは以下の3つです。
食品ロスの削減
1つ目は食品ロスの削減です。上述したように食品ロスは世界的な問題となっています。
農林水産省の統計によると、日本における1年間にでた食品ロスの量は約612万トンです。
このうち、約100万トンが外食産業から出ていると推計されています。
これら食品ロスは最終的に処理工場へ運ばれ、焼却処分となります。その際に二酸化炭素(CO2)が排出されるため、環境への影響が懸念されています。
また、焼却処分までの運搬コストや排気ガスの排出など細かく見ると、環境へさまざまな影響をもたらしていることがわかります。
廃棄コストの削減
飲食店側のメリットとして、廃棄コストの削減につながります。ゴミ袋やゴミ処理業者へのコストが削減できます。
生ごみを捨てる手間も軽減できるといったメリットもあります。
お店側、消費者ともに気持ちよい
料理の作り手としては、自分の作った料理を廃棄すると悲しい気持ちになります。キレイに完食してくれる方が間違いなく嬉しいです。
消費者側としては、作ってくれたものを残すことは、あまり気持ちいいものではなく、中には申し訳ないと感じる人もいるでしょう。そういったときに持ち帰りができると、罪悪感をなくすことができ、さらに食費の節約にもつながります。
ドギーバッグを使用するデメリット
ドギーバッグには以下のようなリスクがあります。
衛生管理を徹底しておかなければいけない
一番の大きな問題としては食中毒のリスクを考えなければいけません。ドギーバッグは消費者の自己責任という名目があるとはいえ、食中毒を起こしてはいけません。トラブルになる可能性もあります。
特に夏場は食中毒のリスクが高まるため、お客様に注意事項を伝えることや保冷剤を使うなどの工夫が必要になります。
場合によっては廃棄してもらうことを伝えておく必要もあるでしょう。
飲食店によっては断られるケースがある
上記で紹介したように持ち帰りは食中毒のリスクが高くなります。そのため、お店によっては断られる場合もあります。
もし最初から料理を食べきれるか自信がない場合、先に持ち帰りができるのかお店に聞いておき、できない場合は料理を少なくする、またはこまめに注文するなどの工夫を行いましょう。
ドギーバッグを導入する際に気をつけておくポイント
飲食店がドギーバッグを導入する場合は以下のことを注意しておきましょう。
持ち帰りはあくまで自己責任としておく
お客様が持ち帰りを希望した際は、あくまで自己責任であることをお伝えするようにしましょう。その際に食中毒のリスクがあること、衛生上お店側は安全の保証ができないことなどを併せて伝えましょう。
夏場に限らず冬場でも暖房をきかせているため、食中毒のリスクは十分にあります。持ち帰った後はすぐに食べるか、冷蔵庫に保管してなるべくはやく食べてもらうようにしましょう。
可能であれば、食べ残しをドギーバッグに詰めるのはお客様自身で行ってもらうことをおすすめします。
持ち帰り用にルールを作っておく
持ち帰りについては、食中毒などのトラブルが起きないよう、環境省が消費者庁、農林水産省、厚生労働省とともに作成した留意事項を踏まえてルールを作成しましょう。
留意事項は下記の通りです。
消費者の方へ
・ 持ち帰りは、刺身などの生ものや半生など加熱が不十分なものは避け、帰宅後に加熱が可 能なものにし、食べきれる量を考えて、行いましょう。
・ 自ら料理を詰める場合は、手を清潔に洗ってから、清潔な容器に、清潔な箸などを使って 入れましょう。また、水分はできるだけ切り、早く冷えるように浅い容器に小分けしましょう。
・ 料理は暖かい所に置かないようにしましょう。
・ 時間が経過することにより、食中毒のリスクが高まるので、寄り道をしないようにしましょう。また、帰宅までに時間がかかる場合は、持ち帰りはやめましょう。
・ 持ち帰った料理は帰宅後できるだけ速やかに食べるようにしましょう。
・ 中心部まで十分に再加熱してから食べましょう。
・ 少しでも怪しいと思ったら、口に入れるのはやめましょう。
飲食店の方へ
・ 持ち帰りの希望者には、食中毒等のリスクや取扱方法等、衛生上の注意事項を十分に説明 しましょう。
・浅い容器に小分けしましょう。
・ 外気温が高い時は持ち帰りを休止するか、保冷剤を提供しましょう。
・ その他、料理の取り扱いについて、注意書きを添えるなど、食中毒等の予防をするための 工夫をしましょう。
引用元:飲食店等における「食べ残し」対策に取り組みにあたっての留意事項
ルールの草案
上記をもとにしたルールの草案を考えてみました。
1.生もの/半生のものは持ち帰りを禁止する。
2.持ち帰ったものは必ず再加熱してもらう。
3.お店からの帰宅時間が1時間以上かかる方はお断りする。
4.冬場以外は保冷剤を用意する。
5.帰宅後は当日中に食べてもらう。ただし、匂いや味が少しでもおかしいと感じた場合は廃棄してもらう。
ドギーバッグにおすすめ容器
食品ロスを減らしつつもできるだけ環境にやさしい容器を紹介します。
ドギーバッグの認知度~日本と世界の違い~
ドギーバッグがどれくらい浸透しているのか、日本と世界を比較しながら解説していきましょう。
日本では浸透しつつある
ドギーバッグ普及委員会が2016年に行ったアンケートでは、ドギーバッグを知っている、または聞いたことがあると答えた人は全体の50%と、前回の調査(2010年は40%)から10%アップしました。
参考:ドギーバック普及委員会
2008年は1%だったことを鑑みると、徐々に認知度が増えてきていると言えます。テレビや新聞などのメディアで食べ残し問題を取り上げることが多くなり、その際にドギーバッグを知るきっかけになったと考えられます。
世界では持ち帰りが当たり前のところも
世界に目を向けると、持ち帰りが当たり前の国があります。例えばアメリカでは、お客様から持ち帰ってもいいですか?と聞かれることはもちろん、スタッフ側から持ち帰りませんか?と聞くこともあるそうです。
同じように中国や台湾でもドギーバッグを利用することは日常的なことと捉えられています。
しかし、フランスでは持ち帰り=マナー違反と考えられているため、まだまだ浸透していません。
ドギーバッグを活用していこう!
食品ロスを減らすことはとても大事なことです。
飲食店としてもドギーバッグの導入は作り手や環境に優しいだけではなく、廃棄コストの削減などさまざまなメリットがあります。
消費者に対して、環境問題に目を向けるきっかけになる可能性もあるので、ぜひドギーバッグの導入を始めてみませんか?