February 06, 2023

ロボットが食品業界の救世主になる!?ロボットの種類や課題を紹介


少子高齢化、人口減少など働き手が減ってきたことで、労働市場は今や売り手市場と変化してきました。

食品業界も大きな影響を受けており、人手不足だと感じている企業は全体の約7割もあるほどです。

この人手不足という大きな問題の対策として、ロボットを活用する企業が増えてきています。しかし、どんなロボットがあるのか、どんな風に活用しているのかを知らないのではないでしょうか。

ここでは、食品業界で活躍しているロボットの紹介とともに、なぜロボットが浸透しないかの理由を解説しています。

食品業界の救世主と期待されているロボットについて詳しく知っていきましょう!

食品業界で起きている問題と原因

食品業界では、人手不足によって以下のような問題が起きています。

労働環境の悪化

人手不足によって、会社の労働環境が悪化しています。

1人当たりの労働量が増えたことで、残業時間が増加したり、休日回数が減ったりと、肉体的にも精神的にも負担が大きくなっています。

職場の人間関係に悪影響を及ぼしており、ギスギスした雰囲気になっています。

インシデントの発生

人手不足によって、軽い事故であるインシデントが多発しています。インシデントの主な要因は不注意や思い込みですが、それを生み出してしまう原因は疲労です。

休憩時間が取れない、多大な業務量などの過酷な労働環境によってインシデントが発生してしまいます。

インシデントの多発は大きな事故の要因となるため、決して楽観できるものではありません。

後継者問題

後継者が出てこないことは会社の存続にとって大きな問題です。会社を継ぐ人がいないと最終的には廃業せざるを得なくなるからです。

また、会社の規模を大きくすることや新たな事業展開などが行えないため、会社の規模を縮小しなければいけないかもしれません。

サービスの低下

人手不足でこれまでと同様のサービスができなくなる問題があります。サービスの質が低下すると、顧客が離れたり、クレームが増加したりと会社の収入や信頼が低下してしまいます。

食品業界で活躍するロボット

※写真はイメージです


ロボットを導入することで生産性が向上するほか、作業員の負担軽減、品質の向上などさまざまなメリットが生まれます。

そのため、食品業界におけるロボットの役割は人手不足解消対策として非常に有効です。

そこで実際に食品業界で活躍しているロボットを紹介していきましょう。

仕分けロボット

仕分けロボットはベルトコンベヤーで流れてくる商品を種類ごとにピックアップすることができるロボットです。仕分けの際はパラレルリンクロボットが活用されています。

パラレルリンクロボットは人間の腕をまねた形のものや、UFOキャッチャーのようなアームが吊り下げられたような形のものなどがあります。


実用の流れとしては、ベルトコンベヤーで流れてくる商品をロボットが選別し、アーム部分でつかむ、もしくは吸着して取り出します。取り出した商品はすぐさま仕分け置き場に置いて、再びベルトコンベヤーに流れてくる商品をピックアップするという流れになります。


このような仕事は人が行ってきましたが、ロボットが行うことで仕事量の均一化、ミスの削減、商品の損壊がなくなるといったメリットが生まれます。

箱詰めロボット

箱詰めロボットは食品用パウチを箱詰めするために使われるロボットです。上記で紹介したパラレルリンクロボットとカメラによる画像処理を使用して行われています。


パウチはベルトコンベヤーで流れてくるのですが、向きがバラバラになっています。このままでは正しい向きで箱詰めできませんが、カメラを使った画像処理を行うことによって自動で向きを判別し、正しい向きでピックアップすることができます。

箱詰め作業はこれまで人間が行ってきましたが、ベルトコンベヤーのスピードに対応するために慌ててしまい、個数を間違える、向きがバラバラになるといったミスが起きていました。

箱詰めロボットを使うことで品質が安定することや、生産量の向上ができるようになります。

荷積みロボット

荷積みロボットはレトルト食品やペットボトル飲料が詰められた箱などをパレットに積み込む際に使用するロボットです。パレタイズシステムが組み込まれたロボットを使用するため、パレタイジングロボットとも言われます。

パレタイジングロボットはサイズの異なるダンボールにも対応しており、自動的に箱の選別をし、パレタイジングを行います。

重量のある箱をパレットに積んでいく作業を人間が行うのは負担が大きいため、パレタイジングロボットを使うのは負担軽減になるほか、事故の予防にもなります。


ロボット導入の課題

※写真はイメージです

人手不足による問題解決として、ロボットの活用は大きな成果をあげています。

しかし、ロボットを導入している企業は全体の約4割と、全体的には浸透していません。

食品業界は人の手が必要な労働集約型産業であるため、人手不足による影響を大きく受けてしまいます。ロボットを導入することで人手不足解消につながることはわかっているはず。なぜロボットの導入が浸透していないのか、その理由について解説していきましょう。

消毒作業に手間がかかる

お弁当などたくさんの食品を扱うような工場では、ロボットが活躍しにくい場合があります。ロボットの先端アーム(サイドエフェクタと言います)は食品が変わるたびに取り換えなければいけません。

そのため、多品種の食品を扱う場合は食品を変えるたびにアームの取り換え、さらに洗浄と消毒作業を行わなければいけません。これではかえって生産性が落ちてしまいます。

しかし、最近ではお弁当工場で人と並んで作業ができるロボットが登場しています。揚げ物や野菜などの食品をトングでつかみ、弁当箱につめるといった単純作業を人と一緒に行うことができます。

実際大手総菜会社でも導入されており、今後さらに複雑な作業ができるよう、進化が期待されています。

参考:人型協働ロボット「Foodly」弁当、レトルト惣菜の生産ライン現場で3社に導入 ロボットフレンドリーな食品工場づくりに向けてデモを公開

食品によっては効率が悪くなることも

お肉や魚、野菜など食品の形が一定ではない場合、ロボットが上手くつかめないことがあります。もし、ロボットが食品をつかむことができなかった場合、生産ラインをとめて、サイドエフェクタの交換などの調整をしなければいけなくなります。

何度も調整を行わなければいけなくなった場合、効率が悪くなるほか、経費も余計に発生してしまいます。

作業スピードが人間に劣る

ロボットは安定したスピードと品質で作業が行うことができますが、まだまだ人間よりも作業スピードが劣ることもあります。

単純作業の場合は、ベテラン作業員の方が速いこともあるため、ロボットを使用するメリットがあまりありません。そうなると導入しようという決断には至りません。

現在はロボットに複数のハンドがついており、同時に複数の作業ができるようなタイプがあります。人間よりも正確にかつ効率よく作業ができますが、その分コストがかかるといったデメリットがあります。

ロボットが食品業界の未来を救う!

AIやIOTといった技術の進歩とともにロボットができることは年々増えてきています。これまでロボットには難しいとされていたこともできるようになってきました。

まだまだ課題もありますが、それらを解決するために日々開発が続けられています。

今後人手不足はさらに深刻化していくことは容易に想像できます。ロボットと人の協働作業はこれから更に増加していくでしょう。

安定した品質、スピード、そしてミスのない作業ができるロボットが食品業界を救うことになっていくでしょう。


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