介護施設×イベント×食で利用者さんの満足度はあがる!
介護施設では、利用者のために季節に応じたイベントが開催されています。
飾り付けのほか、レクリエーションを行うことで、利用者を楽しませています。
このイベントの際に、食を絡めると利用者さんの期待値や満足度が上がります。
食を絡めることでどんな効果があるのか、またどんな食事を用意すればいいのかを紹介していきましょう。
介護施設で食を絡めたイベントの効果とは
イベントの際に食を絡めることで利用者さんにプラスの効果が現れます。
その効果とは主に4つです。
・季節感を感じてもらえる
・楽しみや生きがいを得られる
・利用者さん同士のコミュニケーションツールになる
・食欲増進につながる
それぞれ詳しく解説していきましょう。
季節感を感じてもらえる
日本には四季があり、それぞれの時期に応じた風物詩というものがあります。正月や節分、ひな祭りや桜、七夕やハロウィンなど毎月のようにイベントがあります。
しかし、施設内で過ごしていると、同じような日々を過ごすため、四季を感じにくいといった問題があります。
しかし、正月であればおせち料理、節分は巻き寿司、ひな祭りはチラシ寿司といった風物詩に応じた食事を提供すれば、それだけで季節感を感じることができます。
楽しみや生きがいを得られる
介護施設内での生活は変わり映えがあまりありません。家族や友人が訪れてくれる以外は基本的に職員さんか利用者さん同士としか顔を合わしませんし、外に出ることもないので、毎日施設内で過ごす時間になります。
そのため、日々の楽しみの大きな部分を食事が占めているのですが、それもルーティンで組まれているので、長いこと生活している人にとっては新鮮味がありません。
そこでイベントとともに季節の食事を出せば、利用者さんは喜んでくれますし、その日を楽しみにしてくれる人も少なくありません。
利用者さん同士のコミュニケーションツールになる
介護施設内において、利用者さん同士のコミュニケーションは重要視されています。介護施設は職員さんがいるとはいえ、人によっては強く孤独を感じてしまう世界です。
団らんルームに利用者を集めているのは、様子を観察しやすいといった理由がありますが、孤独を感じさせないようにするためでもあります。それでも変化のない日々では会話が弾むというのは難しいものです。
イベントと食を絡めることで利用者さんの思い出話に花が咲いたり、会話のきっかけになったりします。
会話することで脳が活性されるので、ボケの防止にも繋がります。
食欲増進につながる
利用者さんの中には普段の食事をあまり取らない人がいます。食事をしっかりとらないと、栄養だけでなくエネルギー不足になり、生きる活力を失ってしまう要因になります。
そこでイベント食を行えば、いつもと違う食事が出るため、胃が刺激され、食欲が増進されるといった効果がでることが多いです。
こんなイベント食はどうでしょうか?
イベント食は毎月行うことが理想ですが、毎月献立を考えるのは大変かと思います。そこで実際に提供されていた例をもとに、毎月のイベント食の提案をします。
ぜひ参考にしていただければと思います。
1月のイベント食
1月に行うイベント食としては、おせち料理、七草粥が定番です。
おせち料理は品数が多いため、全てを準備するのは難しいかと思います。
黒豆や煮しめ、かずのこ、伊達巻といった代表的なものだけで正月色がでます。
お雑煮も用意した方がいいのですが、お餅は危険性があるので、白玉で代用するといいでしょう。
2月のイベント食
2月は節分の巻き寿司やバレンタインデーといったイベントがあります。
巻き寿司は海苔が固いため、小さく切るか、薄焼き卵を海苔の代わりにするのもおすすめです。
バレンタインデーはチョコレートを使ったスイーツを用意するほか、シチューの中にハート形に切ったニンジンを入れるとバレンタインらしさが出ます。
3月のイベント食
3月はひな祭りがあります。チラシ寿司を用意するのがマストですが、生魚を使うのは難しい場合、菜の花やタケノコなど春の食材をつかい、彩りをよく仕上げて春らしい季節感を出すといいでしょう。
はまぐりの潮汁が出せると、よりひな祭り感が出るかと思います。
4月のイベント食
4月は大きなイベントがない月ですが、桜という日本を代表する風物詩があります。
桜ご飯や桜餅といった桜を使った食事や、花見団子(三色団子)もおすすめです。
3月と同様、彩りよく仕上げれば利用者さんの心も華やかになるでしょう。
5月のイベント食
5月は端午の節句があります。草餅や柏餅が定番ですよね。
また、時期的にタケノコが旬を迎えているのでたけのこご飯やお吸い物などを準備するといいでしょう。また、初カツオも旬の時期です。お刺身は難しいかもしれないので、竜田揚げにするなどして提供してあげると喜ばれるかと思います。
6月のイベント食
6月は特にイベントのない時期ですが、30日に夏越の祓(なごしのはらえ)という行事が行われます。その時に京都では水無月という、ういろうの上に甘く炊いた小豆を載せた和菓子を食べるのが習慣となっています。
小豆には邪気を払うといういわれがあるので、行事の紹介とともに水無月を提供するのがいいかもしれません。
7月のイベント食
7月といえば七夕ですよね。実は七夕の行事食はそうめんということを知っていましたか?中国が起源と言われており、無病息災を願って食べられています。
季節的にもさっぱりとした食べ物が好まれるので、星をかたどった野菜をトッピングにして準備するといいでしょう。
8月のイベント食
8月はお盆の時期です。お祭りが行われるシーズンでもあるので、お祭りイベントをすると盛り上がるかもしれません。
屋台風に装飾して、焼きそばやお好み焼き、もし可能なら一緒にたこ焼きを作れれば利用者さんも喜んでくれるのではないでしょうか。
9月のイベント食
9月は重陽の節句があります。重陽の節句は菊の節句と言われており、厄除けや長寿にいいとされる菊の花を食べるのが習慣です。
また、9月に旬を迎える栗と新米を使って栗ご飯を食べてお祝いするのも定番です。ナスも美味しい時期なので、一緒に献立にくわえるといいでしょう。
10月のイベント食
10月はハロウィンです。ハロウィンそのものが日本に定着し始めたのは2000年代であるため、利用者さんの中には馴染みがないかもしれませんが、食べ物はかぼちゃをつかった料理が定番なので、受け入れやすいかと思います。
煮物やてんぷらといった和風の料理もいいですが、パーティらしくパンプキンスープやかぼちゃのパイなど洋風の料理を用意すると華やかになるでしょう。
11月のイベント食
11月は特にイベントのない月ですが、食欲の秋ということで旬を迎える食材がたくさんあります。キノコやさつまいも、ニンジンや大根など根菜類も豊富ですし、魚も美味しい時期です。
いつもと違って行楽弁当のようにすれば気持ちも盛り上がるかもしれません。
12月のイベント食
12月はクリスマスと年越しが控えています。
ケーキはもちろん、チキンを使った料理やシチューなど、いつもより豪華なメニューにするといいでしょう。
もちろん年末は年越しそばがかかせません。一口サイズでもいいので、年末を迎え、また来年新たにスタートを切ろうという気持ちに切り替えることが大切です。
容器を使い捨てにするとコロナ対策や負担軽減になる
利用者さんのためにイベント食を用意することは大切なこと。しかし、何もかも準備するのは負担が大きいのではないでしょうか。
介護士や栄養士、調理師は慢性的に不足しています。まして、今はウィズコロナ時代でもあるので、いつもより負担が大きくなっているのではないでしょうか。
容器は使い捨てにすることで、片付けや洗い物を楽にでき、コロナ対策にもなります。コストはかかりますが、人件費や労働者の負担が軽減されます。
一度検討してみてはどうでしょうか。