August 31, 2022

パッケージ・デザインが商品にもたらす効果とは? 成功事例に学ぶデザイン方法

暑い夏もそろそろ終わり。季節の移り変わりに合わせて、新商品の準備を進めている方も多いのではないでしょうか?


商品の販売にあたって考えなくてはならないのがパッケージのデザインです。「どんなデザインだとお客様の手に取ってもらいやすいだろう?」と悩んでしまいますよね。


そこで、今回はそんな「パッケージ・デザイン」をテーマとして取り上げることにしました。商品のパッケージ・デザインがお客様にもたらす心理的効果や、良いパッケージ・デザインを作る上で大切なことなどを、実例も挙げながら説明します!

商品のパッケージ・デザインが消費者にもたらす効果とは?


商品のパッケージ・デザインが商品を買って下さるお客様にもたらす効果には、次の4つがあると言われています。1つずつ具体的に考えていきましょう。

これぞ「ジャケ買い」の威力!買い手に購買欲を持たせることができる


1つ目は「買い手に購買欲を持たせることができる」という効果です。


特に買おうと思っていなかったのに「ふと棚の前を通ったらかわいいパッケージのお菓子があったのでカゴに入れた」、「何気なく入った本屋さんでカッコいい装丁のミステリー本を見つけてしまい、知らない作家さんだったけど欲しくなってレジに持って行った」という経験は誰しもあるのではないでしょうか?


このように、優れたパッケージは「その商品をまったく知らない、もしくはその商品にまったく興味がないお客様に購入意欲を持たせる」ことができるのです。リピート購入してもらうためにはもちろん商品それ自体の魅力が大切ですが、「手に取ってもらう」、「興味を持ってもらう」ためには、パッケージの魅力もまた重要です。


商品への思いやコンセプトを表現できる


2つ目は「商品への思いやコンセプトを表現できる」という効果です。


商品を販売する際、「男性に使ってもらうことを想定している」、「高級感を伝えたい」、「かわいいものが好きな方の目にとまってほしい」など、売り手にはさまざまな思いや伝えたいイメージがあるものです。その思いをさりげなくアピールできる手段としてもパッケージ・デザインは有効です。


パッケージに用いる素材や、デザインに使用する色やレタリングなどを工夫することで、あえて言葉にすることなく、買い手と商品のイメージを共有できます。


パッケージを変更することでリブランディングできる


3つ目は「パッケージを変更することでリブランディングできる」という効果です。


商品のパッケージを変更することで、もともと世間一般に広がっていた商品イメージをガラリと変え、あたらしい顧客を開拓することも可能です。


例えば、後の項目で詳しく説明しますが、「株式会社 明治」は、パッケージの大胆な変更により、チョコレートに「子どものおやつ」という印象だけでなく「大人の楽しみ」というイメージをつけることに成功しました。


客層が固定化されてきたときの起爆剤としても、パッケージ・デザインは大切な役割を務めているのです。


パッケージの工夫で宣伝効果を持たせることができる


4つ目は「パッケージの工夫で宣伝効果を持たせることができる」という効果です。


パッケージ・デザインに仕掛けをすることで、パッケージ自体に価値を持たせることができます。これにより話題性が生まれ、売り上げにつながるケースも近年では増えています。


こちらも後の項目で詳しく説明しますが、日清シスコは定番商品である「ココナッツサブレ」のパッケージに、SNSで拡散されやすい工夫を施しました。これにより、商品それ自体の良さは活かしたまま、新しい顧客層を開拓することに成功しています。

商品のパッケージ・デザインを考える上で重要な3つのこと


では、より魅力的なパッケージを作るために必要なことは何なのでしょうか?商品のパッケージ・デザインを考える上で重要なのは、以下の3つだと言われています。



商品を「誰に売りたいか」を明確にする


1つ目は、「商品を『誰に売りたいか』を明確にする」ことです。


商品のパッケージは、「最も売りたいお客様」に合ったものを作ることが鉄則です。そのためには、「性別」「年代」「性格」「興味」など、買ってもらうお客様の具体的なイメージをしっかり決める必要があります。


その上でターゲット層のお客様がどんな色遣いや雰囲気を好むのかを細かくリサーチし、デザインに反映させましょう。

アピールポイントを絞る


2つ目は「アピールポイントを絞る」ことです。


商品を売る際、売り手としてはたくさんの良い点をアピールしたくなります。しかし、たくさんの情報をすべて1度に伝えようとすると、逆にお客様の印象に残りにくくなってしまいます。


そのため、「最も伝えたいこと」を1つだけ決め、パッケージではそれがしっかり伝わるよう努めましょう。シンプルであればあるほど、お客様にとっては覚えやすくなります。


文字は少なく、大きく、読みやすく!


3つ目は「文字は少なく、大きく、読みやすく」です。


これも、2つ目と似ていますが、「パッケージに書かれている文字が多すぎる」「パッケージに書かれている文字が小さすぎる」など情報が読みにくい商品を、お客様は避ける傾向にあります。


そのため、絶対に伝えたい情報を絞り、パッケージには大きな文字と少ない文字数で載せるように心がけましょう。

3つの成功例で考える商品パッケージの重要性


最後に、商品のパッケージ・デザインで大きく売り上げをアップさせた3つの成功事例を見ていきます。

「meiji THE Chocolate」はパッケージデザインでリブランディングに成功


パッケージデザインでリブランディングに大成功した事例としては2014年に「株式会社 明治」から発売された「meiji THE Chocolate」が挙げられます。


長い間チョコレートは「子どものおやつ」でした。しかし、クラフト紙風の素材の箱や上品なカカオのシルエットなど、落ち着いた大人の雰囲気を前面に押し出すパッケージにすることで、「アルコールと一緒に味わえる」、「大人の楽しみ」といった印象を与えることに成功。twitterを始めとするSNSでも大いに拡散されました。


<参考>

https://bulan.co/swings/meiji-the-chocolate/

 


「ココナッツサブレ」はマイナーチェンジが功を奏した有名な事例


日清シスコの「ココナッツサブレ」は1965年誕生のロングセラー商品ですが、消費者の高齢化に伴い、発売50周年にあたる2015年、「『おかしなイメチェン』キャンペーン」と銘打ってパッケージのデザイン変更を行いました。


もとの素朴で飽きの来ないデザインをベースにしつつ、アイドルグループ「私立恵比寿中学」とコラボし、複数のパッケージを作成。SNSでの拡散により知名度を上げ、若い世代のハートを掴むことに成功したのです。その結果、売り上げはパッケージデザイン変更前の1.3倍になったと言われています。


<参考>

https://www.nissin.com/jp/news/4168


老舗洋菓子店が若い顧客を獲得するために行った大胆なパッケージ変更とは?


老舗洋菓子店である「フランセ」もパッケージデザインの変更で新たな顧客層の開拓に成功しました。


「フランセ」は1957年創業の洋菓子店ですが、顧客の高齢化に伴い、看板商品である「ミルフィユ」のパッケージをキュートに変更。若い女性のファンを新たに獲得することができました。パッケージ変更に合わせて、お菓子自体のサイズも女性が口にしやすい縦長サイズに調整し直した点も売り上げアップに貢献したと言われています。


今では、「横浜の地元土産」としてだけでなく、「ちょっとお洒落な手土産」として多くの方に重宝されています。2019年には「JR東日本おみやげグランプリ2019」で総合グランプリも受賞しました。


<参考>

https://insights.amana.jp/article/24178/


パッケージ・デザインを効果的に活用し、新しいお客様の獲得を!


商品それ自体と同じくらい重要な力を持っているパッケージ・デザイン。効果的に活用することで、新たなお客様の獲得にも繋がります。パッケージ・デザインのアイディアを考える上で、この記事が少しでも皆さんの手助けとなれば幸いです。

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